第57話
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〜遊撃士協会・ボース支部〜
その後ギルドに戻ったアガットとティータはラヴェンヌ村であった出来事を話した。
「そっか……。そんな事があったんだ。」
「”剣帝”レーヴェ。とんでもなく大胆な男ね。」
(やはり”剣帝”は”ハーメルの惨劇”の……)
(奴が”結社”にいる理由は”ハーメル”を見捨てた復讐か……?)
話を聞き終えたエステルは複雑そうな表情をし、シェラザードは気を引き締め、アーシアとフレンは真剣な表情で考え込んでいた。
「ああ、まったくだ。そんな訳で、みすみす敵を見逃しちまってな……。すまん、弁解の余地もねえ。」
「いや、その場合は見逃すのが正解じゃろう。墓地で騒ぎを起こすわけにもいかんからな。それにしても……その『ハーメル』という名は妙に気になるのう。」
「その名前、前に女王宮でロランス少尉と戦った時にも出てきた気がするのよね。クローゼ、レイスさん、何か知らない?」
「そう言えばあの時”ハーメル”の名を聞いた女王様、血相を変えていたわね。絶対知っているでしょう?」
アガットの謝罪をルグランが制し、エステルは事情を知っていそうなクローゼとレイスにレンと共に尋ねたが
「いえ……残念ながら。たぶんお祖母さまは何かご存じだと思うのですが……。国家間の問題と言うからには教えて下さらないかもしれません。」
「……すまないが、私もだ。お役に立てなくてすまないね。」
(国家間の問題か……まさかその村が戦争のきっかけになったとかじゃねえだろうな?)
(ありえない話ではないだろうな。俺達の時を考えれば、な。)
答えられない事に申し訳なさを感じるクローゼは辛そうな表情で答え、一瞬複雑そうな表情をしたレイスはすぐに表情を戻して答え、小声で尋ねられたルークの言葉にバダックは重々しく頷いた。
「そっか……。オリビエはどう?エレボニアの村なんでしょ?」
「ふむ……『ハーメル』か。それはまた奇妙な名前が出てきたものだね。」
エステルに尋ねられたオリビエは不思議そうな表情で答えた。
「奇妙?」
「『ハーメル』というのは帝国最南端にあった村だが……現在、その名前は帝国の地図には載ってないんだ。」
「ええっ!?」
「載ってないって……どーしてなんですか?」
オリビエの答えを聞いたエステルは驚き、ティータは尋ねた。
「何年か前に、山崩れがあって、かなりの死者を出したそうでね。今では廃村となっているらしい。」
「廃村……」
「……そうだったのか。」
「で、でも、かなりの死者が出たって……」
「軍が災害救助に出動したから詳しい話は知らないんだが……。一説では、全滅に
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