第56話
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〜1週間後・ラヴェンヌ村・墓地〜
ボースの復興が一通り落ち着いた後、アガットは花束を持ったティータと共に妹、ミーシャが眠る墓参りに来ていた。
「あ……」
「あんた……」
ティータとアガットはミーシャを含めた”百日戦役”で犠牲になった村人達の名前が彫られている慰霊碑の前にいるモルガン将軍に驚いた。
「おぬしらか……」
「まさかあんたがこんな所にいるとはな。どういう風の吹き回しだ?」
「なに……ただの気まぐれだ。妹御に供えるのであろう?わしはこれで失礼しよう。」
「おいおい。邪魔なんて言ってねえだろ。その花は……あんたかい?」
去ろうとしたモルガン将軍をアガットは引き止め、慰霊碑の前に置かれてある花束を見て尋ねた。
「……まあな。こんな事になるのであれば別の彩りを考えたのだが。」
「毎年、俺と同じ花を捧げているヤツがいるとは思ったが……。あんただったとは思わなかったぜ。」
「さて、どうかな……。わしもいいかげん歳だ。どうだったか忘れてしまった。」
「ヘッ、よく言うぜ。」
「クスクス……。あの、わたしもお花、供えていーですか?」
「おお……」
「ああ、頼む。」
そしてティータは花束を慰霊碑に供え、アガットと共に黙祷をささげた。
「ふう……。悪かったな、ティータ。わざわざ付き合わせちまって。」
「ううん、私も一度、ちゃんとミーシャさんに挨拶したかったですから……。ありがとう、アガットさん。」
お礼を言われたティータは優しい微笑みを見せてアガットに言った。
「おいおい。礼を言うのはこっちだろ。それに、仕事が一段落したら会わせるって約束だったしな。」
「えへへ……そーでしたね。」
「ふふ……。竜にも言われたそうだがおぬし、変わったようだな。落ち着きのようなものを感じさせるようになったぞ。」
どことなく落ち着きをみせているアガットの様子を微笑ましそうに見つめていたモルガン将軍は尋ねた。
「よせよ、まだまだ未熟さ。だが、てめぇの未熟さとまっすぐ向き合うだけの覚悟はできた気がするぜ。全てはここからだ。」
「ふむ……。……おぬしの言っていた軍という組織の弊害だが……。改めて考えたら、おぬしの言葉も一理あると思ってな。」
「あれはその……単なる八つ当たりだ。別に軍が間違ってるとかそんな風には思っちゃいないさ。」
モルガン将軍の話を聞き、かつてモルガン将軍に八つ当たりをしていた自分を思い出したアガットは気まずそうな表情をした。
「まあ、聞け。今回の顛末で分かったのが、人と組織は異なるという事だ。軍の組織力が役立つこともあれば、遊撃士の
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