第56話
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フットワークが良い結果を導き出すこともある。どちらが欠けても今回の事件は解決できなかったと思わぬか?」
「……まあな。あんたらの作戦があったから竜の居場所が分かったわけだし。」
「リシャールの言葉ではないが……オーブメントが発明されてから物と情報の流れは、早く大きくなった。それを効率的に処理するために組織というものは、巨大化しながら細分化されることを余儀なくされている。」
「……軍がその良い例だな。国境師団、飛行艦隊、王室親衛隊、王都警備隊、情報部……」
「うむ……。そしてそれは、時代の流れに対応するための進化と言えよう。そこから抜け落ちるものが少なくないとはいえ……もはや後戻りはできんのだ。」
「………………………………」
「だからおぬしは……おぬしたち遊撃士は我々とは違うやり方で守るべきものを守るといい。」
「……え…………」
モルガン将軍の口から出た意外な言葉にアガットは目を丸くした。
「互いの守るもののために時には対立し、時には協力し……そうすることで互いを補い、正しくあらんと確かめ合う。それが、わしらの関係の正しい在り方だとは思わぬか?」
「……ヘヘッ、違いない。ま、これからもせいぜい突っ込まさせてもらうからな。覚悟しとけよ?」
「フッ、それはこちらの台詞だ。軽はずみな事をしないよう日頃から心がけておくのだな。」
「クスクス……」
モルガン将軍とアガットのやり取りにティータが微笑んでいたその時
「フフ……。和やかな所を悪いが少し邪魔させてもらうぞ。」
後ろから声がし、アガット達が振り向くとそこには驚くべき人物が花束を持っていた。
「!!!」
「ふえっ……」
「おぬしは……」
花束を持っている人物―――レーヴェの登場にアガット達は驚いた。
「将軍閣下とはこれが初めてか。”身喰らう蛇”の”執行者”―――レオンハルトという者だ。以後、お見知りおきを願おう。」
「なにっ!?」
「……てめぇ……どういうつもりだ……」
レーヴェの名乗りを聞いたモルガン将軍は驚いた表情で大きな声で叫び、アガットはレーヴェを睨んで武器を構えた!
「ここは死者の眠る場所。するべきことは一つだろう。お前こそ、先日の続きをここで繰り広げるつもりか?」
「グッ……」
しかしレーヴェの言葉に言葉を詰まらせ、そして
「アガットさん……」
「……わかってる。」
心配そうな表情でティータに見られ、アガットは武器をしまった。それを見たレーヴェは慰霊碑の前に花束を供え、静かに黙祷した。
「………………………………」
「レオンハルト…
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