第55話
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「剣の次は竜かよ……」
竜――レグナートの念話にエステルは呆け、アガットは驚いた表情で尋ね、ルークは疲れた表情をしていた。
(私は、おぬしらのような発声器官を持っていない。故に『念話』という形で語らせてもらっている。おぬしらはそのまま声に出して語りかけるがいい。)
「そ、そうか……」
「ふえぇ〜……」
「こ、言葉が通じるのなら確認したいんだけど……。もう、あたしたちと戦うつもりはないのよね?」
(うむ、あの機に操られていただけだからな。よくぞこの身を戒めから解き放ってくれた。礼を言わせてもらうぞ。)
「あはは……ど、どういたしまして。」
竜に感謝されるという珍しい体験にエステルは苦笑していた。
「フン……礼はいい。俺たちがここまで来たのはてめぇを解放するためじゃねえ。これ以上の被害を防ぐためだ。」
「―――同感だ。第一僕は貴様を葬るつもりでそいつらに手を貸していたのだからな。」
「おい、アガット……それにジューダス……」
「竜を相手に失礼すぎよ。」
竜であるレグナートに敬意を払わないアガットとジューダスの態度を見たルークは冷や汗をかき、アーシアは呆れた表情で指摘した。
(私が被害を与えてしまった街や村の事だな……。意志を奪われていたとはいえ、確かに私にも責任があるだろう。さて……どう償ったものか。)
「ま、まあ、悪いのは”結社”の連中なんだし……。ケガ人は出ちゃったけど、亡くなった人もいなかったし……。誠意さえ伝われば許してもらえると思うわよ?」
罪悪感を持っているレグナートを見かねたのかエステルは慰めの言葉を言った。
(ふむ、誠意か……。このような物で伝わるか自信はないのだが……。人の子よ、もう少しこちらに近付いてはもらえまいか?)
「う、うん?別にいいけど……」
「……ったく、何だってんだ。」
そしてエステルとアガットがレグナートに近づいたその時、大きな金色の結晶がエステルとアガットの手に現れた。
「な……」
「わぁ……!」
「金色の輝き……。空の力を秘めた金耀石の結晶ね。」
「だ、だけど……普通のと比べると大きすぎねえか!?」
「フン、竜の力とやらか。」
突然の出来事にアガットは驚き、金色の結晶を見たティータは目を輝かせ、目を丸くして言ったアーシアの言葉を聞いたルークは戸惑った様子で声を上げ、ジューダスは鼻を鳴らした。
(私が付けた爪痕の償いだ。どうか、おぬしらの手から街と村の長に渡してもらえぬか?)
「な、なるほど……。うん、そういう事なら―――」
「―――駄目だな」
レ
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