第54話
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翌朝、エステル達が待ち合わせ場所である発着場に向かうと王室所属の巡洋艦、『白き翼』―――『アルセイユ』が降りてきた。
その後エステル達はモルガン将軍から作戦内容の詳しい説明を受け、時間が来ると『アルセイユ』のブリッジにて竜捕獲作戦の行く末を見守っていた。
作戦は竜を眠らせ、ヴァレリア湖に落とす所まで上手く行っていたが、捕獲しようとしたその時竜の額についている『ゴスペル』が妖しく輝くと共に竜は目覚め、飛び去って行った。
高速で飛び去る竜に喰らいついて行く『アルセイユ』だったが、竜は高度を落として雲の中に入り、やがて『アルセイユ』は竜を見失い、作戦は無念の失敗となり、『アルセイユ』はボース市の空港に着陸し、エステル達は艦内の会議室で今後の事を話し合い始めた。
〜アルセイユ・会議室〜
「竜が逃げ込んだのは霧降り峡谷の北西部……空賊アジトがあった場所より奥にある霧の深い難所です。」
「つまり、飛行船を使った捜索は難しいということですね?」
ユリアの報告を聞いたクローゼは真剣な表情で尋ねた。
「残念ながら……。地上から捜索部隊を派遣するしかないでしょう。」
「ちょ、ちょっと待って!大勢の兵士を差し向けたらまた竜に逃げられちゃうわよ!」
「そうね……。ここは少人数で捜索して竜のスキを突いた方がいいわ。」
「うむ。下手をすればあの場にはいなかった”剣帝”に気付かれ、”ゴスペル”によって別の場所に動かされるかもしれん。」
モルガン将軍の提案を聞いたエステル、シェラザード、バダックはそれぞれ意見を口にした。
「つまり、この先はおぬしらに任せろということか?」
「難所の捜索は、軍人よりも我々の方が慣れていますからな。適材適所というやつでしょう。」
「ああ。ここは少数精鋭で行くべきだ。」
「ええ。軍人は隊列等の関係でどうしても足並みが遅くなってしまうけど、少数で向かう私達なら山道や難所の探索に向いているわ。」
モルガン将軍の言葉にジン、フレン、アーシアはそれぞれ頷いていたが
「――となると残る問題は竜を何とかする方法ね。」
「そういやまだ、そっちの問題が残っていたな……」
冷静な様子のレンが呟いた言葉を聞いたルークは疲れた表情で溜息を吐いた。
「もし、見つけた時はどうするの?倒すの?」
「それにおぬしらに捜索するアテはあるのか?たしか、峡谷の北西部には道らしき道もなかったはず。行き当たりばったりでは何日かけても終わりはせんぞ。」
「そ、それは……」
そしてソフィとモルガン将軍の問いかけに反論できないエステルは口ごもった。するとその時
「……
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