第66話
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れているヨシュアに言い返したエステルは首を傾げてマードックに尋ねた。
「導力技術者にとってナンバリングをすることは常識とも言えることだからねぇ。試作品だとしてもそれは同じ……。となると、なにか後ろ暗い目的で造られた可能性が高いかもしれない。」
「後ろ暗い目的……」
「少なくとも真っ当な目的ではないでしょうね。」
マードックの言葉にエステルは真剣な表情をし、プリネも頷いた。
「まあ、はっきりとしたことは内部を調べないと判らないが……」
マードックは黒いオーブメントの中身を見ようとフタを探したが、手が止まった。
「まいったな……。調整用のフタが見当たらない。よく見たら継ぎ目もないし……どうやって組み立てたんだろう?うーん、このままだと中を調べるのすら難しそうだな。」
「え〜、そんなぁ……。あ、だったら外側のフレームを切断すればいいんじゃない?」
マードックの言葉に肩を落としたエステルはオーブメントの中身を見るための提案した。
「まあ、確かにそうするのが手っ取り早いかもしれないが……。でも、カシウスさんあてに届いたものを勝手に傷つけるのはちょっと気が引けるなあ。」
「そ、そっか……」
「………………………………。例の博士だったら任せられると思うんだけど……」
「あ……同封されていたメモの……。確かに、その博士だったら任せちゃっていいかもね。」
「???」
エステルとヨシュアの会話が理解できなかったマードックは首を傾げた。事情がわかっていないマードックにエステルはオーブメントといっしょに入っていた手紙を見せた。
「実は、そのオーブメントと一緒にこんなメモが入ってたんだけど……」
「『R博士に調査を依頼……』」
「そのR博士という方に心当たりはありませんか?」
ヨシュアは手紙に書かれてある人物を知っているか尋ねた。
「心当たりがあるもなにも……。頭文字がRで、カシウスさんの知り合いといったら『ラッセル博士』に間違いないだろう。」
「やっぱりそうですか……」
「ラッセル博士?ていうか……ヨシュアの知り合いなの?」
「いや、面識はないけどね。オーブメント技術をリベールにもたらした人物として有名なんだ。」
「私も存じています。確かメンフィルへの導力技術提供チームの代表であった方ですよね?」
「うむ。」
ラッセル博士の事がわからないエステルにヨシュアが説明し、プリネはリフィアに確認した。
「ほう、よく知ってるね。オーブメントを発明したのはエプスタイン博士という人だが……。ラッセル博士はそのエプスタイン博士の直弟子の1人にあたるんだ。40年前、彼が持ち帰ったオー
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