第66話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
その後中央工房に向かったエステル達は受付嬢に紹介状を見せた後、工房長がいる部屋に向かった。
〜ツァイス市内・中央工房・工房長室〜
「やあ、待っていたよ。エステル君にヨシュア君だね。」
「あ、はい。初めまして、工房長さん。」
「お忙しいところを失礼します。」
工房長――マードックにエステルとヨシュアは会釈をした。
「いやいや。気にしないでくれたまえ。遊撃士協会には……特にカシウスさんにはお世話になっているからね。そのお子さんたちとなれば歓迎しないわけにはいかないさ。」
「えっ!?工房長さんって父さんの知り合いなの!?」
「知り合いというかカシウスさんは大の恩人だよ。この中央工房は、大陸で最もオーブメント技術が進んでいる場所と言っても過言じゃない。当然、その技術をめぐって色々とトラブルが絶えなくってね。どうしても対応に困った時にはロレント支部に連絡して彼に来ていただいていたんだ。」
「そ、そうだったんだ……」
「はは、道理でいつも出張が多かったわけだね。」
カシウスとマードックが知り合いである事にエステルは驚き、マードックの説明を聞いて2人は納得した。
「その恩人のお子さんたちが、わざわざ訪ねてきてくれたんだ。喜んで相談に乗らせてもらうよ」
「えへへ……。ありがと、工房長さん。」
「少し話は長くなりますが……」
協力的なマードックにエステル達は黒いオーブメントを手に入れた経緯を説明した。
「なるほど……。そんなことがあったのか……。そのオーブメントを拝見しても構わないかね?」
「うん、もちろんよ。」
エステルは荷物の中から黒いオーブメントを出してマードックに渡した。マードックはそのオーブメントをしばらく隅々と調べた。
「ううむ……確かに得体の知れない代物だ……。明らかに最近造られた物だが、どこにもキャリバーが刻まれていない……」
「キャリバー??」
「オーブメントのフレームに刻まれている形式番号ですか?」
「うん、その通りだ。オーブメントには、ほぼ例外なくいつどこで造られたのかを表す形式番号が刻まれている。これは、リベールだけでなく他の大陸諸国でも事情は同じでね。50年前に、オーブメントが発明された時からの伝統なのだよ。」
「へ〜、そうだったんだ。」
マードックの説明を聞いたエステルは懐から戦術オーブメントを取り出して、フレームを調べた。
「……あ、ほんとだ。確かに番号が刻まれてるわ。」
「はあ……。今まで気付かなかったのかい?」
「う、うっさいわね〜。でも、形式番号が無いのってそんなに不思議な事なんだ?」
呆
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ