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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第61話
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その場から早く去ろうとしているサラ教官の様子にリィンは戸惑いながら頷いた。



「そうだ、ここで会ったのも何かの縁でしょう〜。これから街の居酒屋で親睦を暖めるとしましょうか〜?お二人とも結構イケる口ですよね〜?」

「い、いや自分は……!」

「きょ、今日は自分の部屋で一人で静かに飲みたいなぁって!」

一方トマス教官に誘われた二人はそれぞれ慌てた様子で言い訳をしたが

「うふふ、まあ遠慮なさらず〜。そうだ〜、せっかくだからリィン君もご一緒しませんか〜?アルコールはダメですけどそれ以外なら奢ってあげますよ〜?」

トマス教官は二人の意見を聞かずにどんどん話を進めた。



「い、いや〜……教官たちの親睦を深めるのを邪魔するのも忍びないですし……それにほら、ちょうどレオンハルト教官も来たみたいですから、レオンハルト教官も誘ってみたらいかがですか?」

トマス教官の申し出にリィンは冷や汗をかきながらやんわりと断り、ちょうど自分達の方に歩いて来るレーヴェに気付いて指摘した。

「……?今、俺を見なかったか、シュバルツァー。」

リィンの視線に気付いたレーヴェは眉を顰めて4人に近づいたが

「ちょうどよかったです〜。教官同士の親睦を深める為に居酒屋で一杯しようと提案した所なんです〜。」

「………っ…………おい、これは一体どういう事だ?」

トマス教官の誘いを聞いて一瞬表情を引き攣らせた後、リィンに視線を向けた。



「――それでは、自分はこれで失礼します。シャロンさんには教官達の分はいらないって伝えておきますね。」

「あ、ちょっと……!」

するとリィンは教官達に挨拶をした後その場から去った。

「こ、こら〜っ!なんて薄情な生徒なのっ!?」

「謀ったな、シュバルツァー……!この借りは何れ返してもらうぞ……!」

去って行くリィンをサラ教官とレーヴェは睨み

「うふふ〜、それじゃあ私達も行くとしましょうか〜。」

「いや、自分は本当に明日の朝早くに出るので……」

トマス教官の言葉を聞いたナイトハルト教官は必死に言い訳をしてその場から逃げようとした。
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