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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第61話
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だが……”彼女”の経歴を考えればそもそも期待するのが間違っていたのかもしれんな。」
リィンの返事に満足したナイトハルト教官は疲れた表情で呟いた。
「”彼女”と”彼”……サラ教官のことですか?」
「ああ、優秀なのは認めるが軍人としての心構えが無さすぎる。軍と無縁だったとはいえ、士官学校の教官に着任したからには弁えてもらいたいのだが……レオンハルト教官もせっかく副担任としての立場にいるのだから、軍人としてサラ教官に注意してもらいたいのだがな……」
「え、えっと……サラ教官って前は何をしていたんですか?」
溜息を吐いて呟いたナイトハルト教官に戸惑ったリィンは尋ねた。
「なんだ、知らないのか?実は彼女は――――」
そしてナイトハルト教官がリィンにある事を教えようとしたその時
「レディの過去の暴露はちょっと感心しませんね?」
サラ教官が二人に近づき、ジト目でナイトハルト教官を睨んだ。
「サ、サラ教官……」
「バレスタイン教官か。」
「まったく綺麗なお姉さんの過去が気になるのはわかるけど。だからと言って、頭の固い軍人さんにあんまり影響されちゃダメよ〜?杓子定規で身動き取れなくなる可能性だってあるんだからねー?」
「サ、サラ教官……」
目の前でナイトハルト教官の言葉を否定したサラ教官にリィンは冷や汗をかいて二人を見比べた。
「……フン、言ってくれる。行き当たりばったりの即席教官に前途ある士官候補生が導けるとはとても思えんがな。」
「む……さすがは最強と言われる”第四機甲師団”のエースですこと。領邦軍のように伝統と格式を重んじるような口ぶりですけど。」
「む…………」
(や、やっぱりこの二人ってソリが合わないんだな……それにしてもシャロンさんといい、レオンハルト教官といい、サラ教官も喧嘩っ早いというか……)
互いににらみ合う二人から一歩下がって見守っていたリィンは呆れた表情でサラ教官を見つめた。
「おや〜?サラ教官に、ナイトハルト教官?」
するとその時歴史と文学を担当している教官―――トマス教官が3人に近づいてきた。
「あ。」
「……っ……」
トマス教官の登場にサラ教官は呆け、ナイトハルト教官は表情を引き攣らせ
「トマス教官……」
リィンは目を丸くしてトマス教官を見つめた。
「おお、リィン君も一緒でしたか〜。何だか楽しそうですね〜?私もご一緒していいでしょうか?」
「い、いや……」
「あはは、ちょっと挨拶をしただけでして……ほらリィン、ボケっとしてないで早く寮に帰らないとっ。」
「え、ええ……?」
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