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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第60話
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リーヌ”っていいます。」

「…………!」

そしてエマが呟いた名前を聞いた黒猫―――セリーヌは目を見開き

「へえ……!セリーヌ、セリーヌか。うん、すごく良い名前だな。艶やかで綺麗な毛並みにピッタリの名前というか。それに”セリーヌ”って名前は確かリウイ陛下とイリーナ皇妃の間に産まれた皇女殿下の名前でもあるんだ。」

「……………………

「まあ……そうだったんですか。”英雄王”と”聖皇妃”の間に産まれた皇女殿下と同じ名前だなんて、光栄な事ですね。」

リィンの称賛の言葉を聞いてリィンから視線を逸らし、エマは微笑み

(うふふ、さすがご主人様ね♪)

(獣相手で、よくあそこまでの賛辞が自然と口から出てきますね……)

ベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべていた。



「ああ、ってことはやっぱりメスなのか?」

「ふふっ……ええ、女の子ですよ。―――それじゃあセリーヌ。行きましょうか。」

「…………ニャア。」

そしてエマはセリーヌを抱いたままその場から去って行き

(うーん、俺もできればもっとお近づきになりたいけど……まあ、見かけたら新鮮なミルクでもご馳走するか。)

リィンもエマ達に続くようにその場から去った。



「フウ………………」

人気のない所までセリーヌを運んだエマは周囲を見回して安堵の溜息を吐き

「全く……どうして私の名前を教えるのよ!?」

セリーヌはエマを睨んでなんとしゃべった。

「ふふっ、いいじゃない。リィンさん、すごく褒めてくれたし……」

「フン、あの子もよく平然とあんな言葉を口にできるわね。」

エマに微笑まれたセリーヌは鼻を鳴らして呆れた様子で答えた。するとその時



「うふふ、それはご主人様だからこそよ♪」

「「!!」」

なんとベルフェゴールとリザイラが転移魔術でエマとセリーヌの前に現れた!

「ベ、ベルフェゴールさんにリザイラさん………ど、どうしたんですか、一体……」

二人を見たエマは大量の冷や汗をかきながら二人を見つめ

「……………………」

セリーヌは警戒の表情で二人を睨んだ。



「ふふふ、その猫―――セリーヌでしたか?”彼女”の存在が少し気になりましてね。」

「あ、ご主人様には適当に誤魔化して来たから、心配いらないわよ♪」

「え、えっと……何の事でしょうか?」

二人の話を聞いたエマは大量の冷や汗をかきながら尋ね

「誤魔化しても無駄よ。その猫――――”唯の猫”じゃないわよね?」

「使い魔如きが私達の目を誤魔化せるとお思いですか?」

尋ねられた二人はそれぞれ口元に
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