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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
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扉の中から聞こえてきた少女らしき声を聞いたゼノとレオニダスはそれぞれ眉を顰めた。

「―――失礼いたします。」

そしてジョーカーは二人と共に部屋の中に入った。部屋の中には背後に双子のメイドを背後に控えさせた菫色の髪の少女―――レンが豪華なデスクで端末を操作していた。



「こ、子供やて……?」

「まさかお前が俺達の”依頼人”なのか……?」

ルシタニア号のオーナーが使っていると思われる豪華なデスクで端末を操作しているレンに面食らったゼノは戸惑い、レンが自分達の依頼人である事を悟ったレオニダスは信じられない表情でレンに問いかけた。

「うふふ、こうして顔を合わすのはこれが初めてね。とりあえず落ち着いた場所で話をしたいから、そっちのソファーでお話をしましょう?」

そしてレンに促された二人は豪華なソファーに座ってレンとの話を始めた。



「二人とも食事はもう取ったのかしら?」

「あ、ああ。1時間前に食堂で食べたで。」

「そう。じゃあお茶とお菓子だけでいいわね。―――フローラお姉さん、フェリシアお姉さん。」

「は、はい!紅茶とお茶請けのお菓子をお持ちすればよいのですね?」

「かしこまりました。すぐにお持ちいたします。」

レンに視線を向けられた桃色の髪をポニーテールにしたメイド―――フェリシアは慌てた様子で答え、水色の髪をツインテールにしているメイド―――フローラは冷静な様子で会釈をした後部屋に備え付けられてある別の扉に入った。

「―――それでは改めまして。遊撃士協会ロレント支部所属A級正遊撃士レン・ブライトよ。」

「遊撃士やと!?ちょっと待て!嬢ちゃん、いくつやねん!?確か遊撃士になれるのは16歳からのはずやで?」

「”ブライト”………なるほど。と言う事はお前がかの”小剣聖”にして”戦天使の遊撃士(エンジェリック・ブレイサー)”か。」

16歳以下にしか見えないレンが遊撃士を名乗った事に驚いたゼノは信じられない表情でレンを見つめている中レオニダスは落ち着いた様子でレンを見つめて呟いた。



「!!そういや”剣聖”の養女はとんでもない才能を持っていて、その娘は特例で幼い頃から遊撃士をやっているって話があったな……」

「うふふ、大陸最強の猟兵団の人達にも知られているなんてレンも結構有名になったわね。」

レオニダスの言葉を聞いてすぐに心当たりを思い出したゼノは真剣な表情でレンを見つめ、見つめられたレンは小悪魔な笑みを浮かべて答えた。

「”商売敵”の情報を把握するのは猟兵として当然の事だ。―――”影の国”とやらでは姫が世話になったな。」

「姫………ああ、”西風の妖精(シルフィード)”の事ね。彼女の戦闘能力にはレン達も助けられたから
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