第62話
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エステルはダルモアが市民にあまり慕われていなかった事である事が気になり、リフィア達に尋ねた。
「プリネのお父さん……リウイって人はみんなに慕われていたの?」
「お父様ですか?ええ、とても慕われていたと聞きます。」
「慕われていた?まるで過去の言い方だけど今はどうなんだい?」
プリネの答えにヨシュアは首を傾げた尋ねた。そしてヨシュアの答えにリフィアが答えた。
「父――シルヴァンに帝位を譲った後リウイは表舞台から姿を消し、それ以降民は今の皇帝は父であると認識し、リウイの事は民の間では過去にいた伝説上の王となっているからだ。」
「伝説って……あのリウイって人、本当に凄い王様だったんだ……」
「ちなみにお父様と結ばれた側室の方々も後に伝説化し、メンフィル国内の歴史で語られている有名な方達ばかりですよ。……ティアお姉様は母親であるティナ様があまり有名ではないとおっしゃいますが、そんな事はありません。ティナ様は『慈愛聖女』と称されるほど、民達からとても慕われていました。またティナ
様はそれとは別に違った意味で民達からとても慕われていました。」
「それは何なんだい?」
プリネの説明の先が気になったヨシュアは先を促した。
「それはティナ様が元々”平民”であった事です。他の側室の方々は王族、神格者等民からすれば遠い存在でしたがティナ様だけは生粋の平民です。ですから民も自分達と同じ立場であったティナ様の事を身近に感じ、とても慕っていたそうです。それにティナ様自身、王都内でイーリュンの信徒として民によく接し、民の悩み等を聞いていましたからその事もありましたね。」
「ふえ〜……つくづくメンフィルの人達って凄いわね。」
「うむ!余はそんなリウイ達を尊敬しているのじゃ!」
「はは……さすがはリフィアだね。普通それだけ凄い人が家族にいたら重荷になると思うんだけど、2人とも全然そんな風に見えないね。」
自身満々にリウイ達の事を自慢するリフィアにヨシュアは苦笑して呟いた。
「リウイ達が重荷?余は一度もそんな事を思った事がないな。余にとってリウイは目指すべき”王”だ。」
「私にとってもそうです。私もいつかはお父様達のような人になりたいと思っていますから。」
「2人とも凄いわね〜……それに比べてあたしの父さんときたら……はぁ、父さんもプリネ達のお父さん達を見習ってほしいものだわ。」
(そんな事を言えるのは父さんの事を知らない君だけだよ……まあ、エステルらしいといえばエステルらしいかな。そういう点で言えばエステルはリフィア達と似ているな……)
カシウスの功績も知らず溜息をついているエステルを見て、ヨシュアは苦笑した。
「
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