外伝〜幼き竜達の旅立ち〜
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わかんないよ!なあ、みんなもお姉ちゃん達と別れるのは嫌だろ!?」
「「う、うん……!」」
クラムの呼びかけにダニエルとポーリィは頷いた。
「…………………」
「マリィ?なんで何も言わないんだよ?」
一人だけ賛成しないマリィを不思議に思ってクラムは尋ねた。
「クラム、私はあなたの考えに反対よ。」
「なんで!」
「お姉ちゃん達、言ってたじゃない。近い内、みんなとお別れするって。……ぐす。」
「マリィ………」
泣くのを堪えて目に涙を溜めているマリィを慰めるようにツーヤはマリィを抱きしめた。
「ごめんね、マリィ。……これからはあなたとクラムが一番上よ。だから、みんなの事お願いね……」
「ひっく、うん……」
マリィはしゃっくりをあげながら頷いた。
「どっかに行っちゃやだよ、ミント姉ちゃん!」
「クラム……」
涙目で詰め寄るクラムにミントは辛そうな表情をした。
「クラム……2人を困らせてはダメよ。」
そこにテレサがクラムを宥めた。
「2人は自分が望んだ人に引き取って貰うの。ずっとここにいるより、そのほうが幸せである事はわかるでしょう?」
「でも、でも……!」
「クラム!これで最後だって言う時に、何でお姉ちゃん達を困らせているの!ずっとお姉ちゃん達にお世話になったんだから、最後は笑顔でお別れをしないとダメじゃない!」
テレサの説得でも納得できなかったクラムに涙をぬぐったマリィが叱った。
「………クラム。あなた達もいつか私の元から巣立つ時が来ます。2人は今がその時なのです。」
「…………………」
テレサの言葉にクラムは顔を伏せた。
「クラム。」
「………何、ミント姉ちゃん。」
「ミント達はこれから旅に出るけど……みんなの事は忘れないよ!いつか必ずみんなに会いに来るよ!」
「本当?」
「うん。約束をするから指を出して。」
「う、うん……」
ミントに促されクラムは指を出した。クラムの指にミントは自分の指をからませた。
「約束だよ、クラム!今日からクラムがみんなのお兄ちゃんだから、みんなを護ってね!ミントとツーヤちゃんは旅をしている間でも、みんなの事を思っているよ!」
「……うん!」
ミントの笑顔にクラムは強く頷いて、笑顔で答えた。
「………ぐす、あたしこういうの弱いのよね……」
2人と子供達の別れを見ていたエステルは涙ぐんだ。
「エステル。テレサさん達が大事にしていたミントを預かるんだ。責任重大だよ。」
「……わかってる。あの子は絶対大事にして、いい子に育てるわ!」
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