第58話
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得した。
「ヒック、1億とはな……。私もミラ使いは荒い方だがさすがにおぬしには完敗だぞ。」
「くっ……」
逃げ場を完全に失ったダルモアは顔を歪めた。
「な〜に競ってるんだか。」
エステルはデュナンの言葉に呆れて溜息を吐いた。
「まあ、そんなわけで……。莫大な借金を返すために市の予算に手を出したはいいが問題を先送りにしただけだ。どうするものかと思っていたらまさか放火や強盗までして別荘地を作ろうとするとはねえ。何と言いますか……行き当たりばったりですなあ。」
「………………………………。ふん、そんな証拠がどこにある。憶測だけで記事にしてみろ。名誉毀損で訴えてやるからな!」
「あらま、開き直った。」
強気になったダルモアを見てナイアルは目を丸くした。
「貴様らもそうだ!市長の私を逮捕する権利は遊撃士協会にはないはずだ!今すぐここから出て行くがいい!!」
「む、やっぱりそう来たか。」
「さすがに自分の権利はちゃんと判っているみたいだね。」
同じようにエステル達にダルモアは怒鳴った。怒鳴られたエステルとヨシュアは厳しい表情でダルモアを見た。
「………………………………。市長、1つだけ……お伺いしてもよろしいですか?」
「なんだ君は!?王立学園の生徒のくせにこのような輩と付き合って……。とっとと学園に戻りたまえ!」
「………………………………」
「うっ……」
静かに問いかけたクローゼを怒鳴ったダルモアだったが、クローゼの凛とした眼差しに見られて怯んだ。
「どうして、ご自分の財産で借金を返さなかったんですか?確かに1億ミラは大金ですが……。ダルモア家の資産があれば何とか返せる額だと思います。例えば、この屋敷などは1億ミラで売れそうですよね?」
「ば、馬鹿なことを……!この屋敷は、先祖代々から受け継いだダルモア家の誇りだ!どうして売り払う事ができよう!」
「あの孤児院だって同じことです。多くの想いが育まれてきた思い出深く愛おしい場所……。その想いを壊す権利なんて誰だって持っていないのに……。どうして貴方は……あんなことが出来たのですか?」
「あ、あのみすぼらしい建物とこの屋敷を一緒にするなああ!!」
クローゼの言葉にダルモアは怒り心頭で吠えた。
「あなたは結局自分自身が可愛いだけ……。ルーアン市長としての自分とダルモア家の当主としての自分を愛しているだけに過ぎません。可哀想な人……」
「………………………………。……ふふ……ふふふふふ………。よくぞ言った、小娘が……。……こうなったら後のことなど知ったことか!」
クローゼに哀れみと軽蔑が込めた視線で見られたダルモアは凶
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