第57話
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がお兄ちゃんの探していた人なんでしょ?」
「………………………………」
エヴリーヌの疑問にリウイはしばらくの間考えるかのように腕を組み、目を閉じて黙った。そしてリウイに代わってかリフィアが答えた。
「当然、放置だろう?イリーナ様の魂はあのイリーナという少女に受け継がれているのだから、セリカやエクリアを狙っても意味がないのだからな。」
「………………まあな。イリーナが転生した以上、神殺しの力は必要ない上、依り代であるエクリアを狙っても意味がないからな。」
「……よろしいのでしょうか?エクリア様はその……リウイ様にとって仇になりますが………」
リウイの答えを聞き、ペテレーネは恐る恐る尋ねた。
「……奴を許せると言えば嘘になるが、今更その事を蒸し返しても仕方あるまい。あの時の奴は姫神だったのだからな…………それに自分を殺したエクリアに恨みごとも言わず逝ったイリーナがそんな事を望むとはとても思わん……最も、イリーナの魂が目覚めて元のイリーナになった所で連絡するつもりはないが。」
「……それでもお父様はセリカ様やエクリア様を狙わないのでしょう?私はそれを聞いて安心しました。」
「ほう……なぜだ?」
ティアの言葉が気になり、リウイは尋ねた。
「だって、血のつながった家族同士が争うなんて私には耐えられませんから……」
「ふふ、本当に優しい方ですね、ティアさんは。ティアさんを見ていると、時折ティナさんの事を思い出してしまうほど成長されましたね。」
「ありがとうございます、ペテレーネ様。」
ペテレーネの言葉にティアは微笑んで答えた。
「……エクリアの件はわかるとして、神殺しを狙わない事に安心しているのはなぜだ?奴は現神にとって忌まわしき敵であろう。」
「お父様……わかってておっしゃっているのですか?イーリュンの愛は無限。……例えその相手が神殺しであろうと変わりはありません。私はただ純粋に人と人が争わない事に安心しているのです。」
「フッ……そうか……」
ティアの答えにリウイは口元に笑みを浮かべて答えた。その時定期船の離陸の放送が響いた。
ボース方面行き定期飛行船、まもなく離陸します。ご利用の方はお急ぎください。
「………そろそろ時間か。プリネにはいい劇を見せてもらったと伝えておいてくれ。」
「うむ!」
「うん。お兄ちゃんが褒めてくれたって知ったら、きっとプリネも喜ぶしね。」
リウイの言葉にリフィアは力強く頷き、エヴリーヌはプリネの喜ぶ顔を予想して微笑んだ。
「さて……2人とも行くぞ。」
「はい。」
「わかりました、お父様。それではリフィアさん、エヴリーヌさん。怪我や病気
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