外伝〜幼き才女の優しさ〜
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情でアガットに近づいて来た。
「チビスケ……」
「あのあの、身体の方はだいじょうぶですか……?」
「ああ、別になんとも―――痛ツっ……」
ティータに答えたアガットは体を起こそうとしたが、傷がうずいた為、顔を顰めた。
「ダ、ダメですよ〜!おとなしく寝てなくちゃ。まだ傷がちゃんと塞がってないんですから!」
「ヘッ、このくらいのケガ、どうってこたぁねえっての。ほっときゃすぐに治るって……」
「ダ、ダメぇ!」
痛みを無視して起きあがろうとするアガットを見たティータは大声で叫び、両手を広げてアガットがベッドから出るのを止め、そして決意の表情でアガットを見つめて言った。
「わたし、お姉ちゃんと約束したんですからっ!アガットさんが良くなるまで絶対ベッドから出さないって!」
「お、おい……」
「う〜っ……」
「わかった、わかったつーの。」
ティータの強い意志に負けたアガットは諦めて、しぶしぶベッドに寝ころび
「……ほっ…………」
アガットの様子を見たティータは安堵の溜息を吐いた。
「ったく……ムキになりやがって。そういや、もう夜なんだな。エステルたちはどうしたんだ?」
「えっと、お姉ちゃんたちは一旦ボースの街に戻りました。将軍さんとの約束があるらしくて。」
「将軍との約束だぁ?」
ティータはエステルの必死の頼みにより、モルガン将軍が竜騒動の事件で何らかの形で遊撃士達を関わらせ、その連絡をボース支部にする事を伝えた。
「……なるほど、あのモルガンを動かしたか。それじゃあ、そろそろギルドに軍からの連絡が入ってる頃だな。よーし、さっそく俺も……」
話を聞いたアガットは自分も連絡の内容を知る為に起き上がろうとしたが
「……………………(じー)」
「……っと思ったが、さすがに今日は遅すぎるな。明日の朝にでもボースに戻るとしようぜ。」
ティータの睨みに負けて諦めた。
「で、でも……」
「たっぷり寝たから体力もかなり戻ってきた。怪我もカスリ傷ばかりだから普通に動いてても勝手に治る。大丈夫、心配すんな。」
「無理……してないですか?」
「あのなぁ、俺は遊撃士だぞ?結社だの竜だのを相手に無理できるほど図太くねぇよ。……これ以上、お前を危険な目に遭わせるわけにもいかねえしな。」
「え……」
アガットの口から出た予想外の言葉にティータは呆けた。
「ま、おせっかいなお目付役を怒らせる度胸はねえってことだ。素直に信用してくれや。」
「も、もう……アガットさんたら……。でも本当に元気そーな感じですね?」
「だから言ってんだろ
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