第52話
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〜廃坑・露天掘り場所〜
「―――ちょ、ちょっと待ってよ!手を引けってどういうこと!?将軍ってば、また遊撃士たちを目のカタキにしているわけ!?」
モルガン将軍から伝えられた話を聞いたエステルは怒りの表情で声を上げ
「そうは言っておらん。だが、警備艇の導力砲ですら傷付けることが困難な魔獣だ。おぬしらにいったい何ができる?」
(”超振動”ならいけるかもしれないけど……そんな事、話せねえしな……)
エステルの怒りに対してモルガン将軍は冷静な様子で答え、ルークは考え込んでいた。
「そ、それは……」
「まあ、正論ね。手配魔獣を倒すとは訳が違いすぎるわ。それに飛行艇を持たないレン達では空を飛ぶ竜を捜索できない。」
モルガン将軍の正論にエステルは返す言葉がなく、レンは納得した様子で頷いた。
「餅は餅屋とも言う。戦争ならば我々プロに任せておくがいい。お前たちは、そうだな……『身喰らう蛇』の拠点捜索に集中してもらうと助かる。」
「で、でも……!」
「……ざけんな………」
モルガンの指示にエステルが反論しようとしたその時、怪我の手当てをされていたアガットが足を引きずりながらモルガンに近づいて来た。
「アガット……!?」
「ア、アガットさん!手当てしたばかりだから無理しちゃダメですよ〜!」
「相変わらず体力だけは無駄にあるわねえ。」
近づいてきたアガットを見たエステルは驚き、手当てをしていたティータは慌ててアガットに駆け寄り、レンは呆れ半分の様子で感心していた。
「………………………………」
「……おぬしは……『重剣』のアガットと言ったか。威勢のいい若手遊撃士だとカシウスから聞いたことがある。」
アガットの睨みに対してモルガン将軍は一切怯まずアガットの目を見つめて口を開いた。
「オッサンの事はどうでもいい……。なあ……将軍閣下よ……。餅は餅屋……戦争はプロに任せろだと……?そりゃ……本気で言ってんのか?」
「……無論、本気だが。人を守るだけの遊撃士と違って我々は国を守らねばならん。この場合、国とは民と国土の両方を指している。それができるのは軍だけだ。」
「クク……民と国土を守るか……」
モルガンの話を聞いたアガットは低い声で笑った後、そして―――
「笑わせるんじゃねええッ!!!」
「ぐっ……」
突如、モルガンの襟首を掴み、怒鳴った!
「ちょ、ちょっと!?」
「ア、アガットさん!?」
「おい、アガット!何をしてるんだよ!?」
アガットの行動にエステルやティータ、ルークは焦り、アガットは周りの声を一切気にせず自分の気持ちをモルガン将
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