第52話
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えちゃん”ね♪エステルのようなおねえちゃんを持って、レン、幸せだわ♪」
「あ、あはは……。将軍さん所か、ルーク兄やレンにまで誉められると何だかこそばゆいわね。」
モルガン将軍やルーク達に感心されたエステルは恥ずかしそうな表情で笑った後気を取り直してすぐに話を戻した。
「それはともかく…………アガットのことなんだけど。妹のミーシャさんって本当に10年前の戦争で……?」
「うむ……。帝国軍と王国軍の戦闘が村の近郊であってな……。その時、帝国軍の焼夷弾がいくつか村に届いたのじゃ。」
エステルに尋ねられた村長は重苦しい表情で当時の様子を語り始めた。
「その結果、民家が焼かれ犠牲者を出すこととなった。ミーシャもその1人じゃ。」
「………………………………」
「王国軍は一体何をしていたのかしら?流れ弾を守るべき民達の所に届かせるなんて。」
「お、おい、レン。」
村長の話を聞いて悲しそうな表情でエステルが黙っている中、レンは責めるような視線でモルガン将軍を見つめ、レンの指摘を聞いたルークは焦った。
「いや……その娘の言う通り、その件は我々王国軍の失態だ。村を守るための防衛線が帝国軍の苛烈な攻撃を招き……結果的に甚大な被害をもたらしたのだからな。」
「あ……」
「そして、その防衛線の構築はわしの指示によるものだった。全てはわしの責任と言えるのだ。」
「……将軍閣下。あまりご自分を責めなさるな。あの時、王国軍はあくまで使命を果たしただけじゃった。結局、幾つかの偶然が重なって起きた被害でしかないんじゃよ。」
「いや、どうか庇ってくれるな。肉親を亡くした者にそのような理屈は通用しない。あの赤毛の若者のようにな。」
「……それは……」
モルガン将軍に慰めの言葉をかけようとした村長だったが、アガットの事を出され、黙り込んだ。
「村の犠牲者の葬儀が行われた時、わしは軍の代表として出席したが……。その時会った、赤毛の少年の目を今でもはっきりと覚えておる。底知れぬ哀しみを、怒りでねじ伏せるような……そんな痛々しい眼差しをな。そんな目をさせたのは……やはり、わしなのだろう。」
(どの世界でも戦争によって真っ先に犠牲になるのは民なんだよな……)
モルガン将軍の話を聞いていたルークは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「……いや。そうではないのじゃ。アガットが本当に責めていたのは帝国軍でも、ましてや閣下でもない。他ならぬ自分自身だったのじゃ。」
「……?」
「ど、どういうこと?」
「詳しいことは話せぬが……。アガットは、ミーシャの死を自分の責任のように感じていた。決してそんな事
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