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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第57話
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青年の声が聞こえてきた。



「あー、来た来た!」

すると司令室にスーツ姿の赤毛の青年が入ってきた。

「もー、レクター!ちょっと遅すぎだよ〜!」

「おー、スマンスマン。ちょいとクロスベル方面に出張してたもんでな。」

「ああ、あの恐いヒトたちの事務所を用意するってアレ?」

「おー、それそれ。」

青年はミリアムと呑気そうな様子で会話をしていた。



「あ、あんたは……」

「フム、軍服を着ておらぬが我らと同じ立場のようだな?」

「―――は、その通りです。帝国軍情報局・特務大尉、レクター・アランドールであります。共和国軍との交渉ルートを担当するために参上いたしました。」

ゼクス中将に尋ねられた青年―――レクターは敬礼して自己紹介をした。



「ええっ……!」

「”帝国軍情報局”…………」

「き、君があの……」

「ふむ、レクター特務大尉か。色々と噂は聞いているが……任せてしまってもよさそうだな?」

リィン達や部下が驚いている中、ゼクス中将は冷静な様子で尋ね

「ええ、既に共和国政府との交渉には入っております。再来月の”通商会議”に向けて無用な対立は避けたい……宰相閣下の意向でもありますので。」

「そうか…………」

レクターの答えを聞いて、僅かに安堵が混じった表情をした。



「宰相閣下……ギリアス・オズボーンか。」

「”鉄血宰相”呼ばれる、革新派のリーダー的存在……」

「えへへ、顔はコワモテだけど結構楽しいオジサンだけどね。」

「――ま、そういうワケなんで後は情報局(ウチ)に任せときな。そうそう、そのガキンチョが世話になったみたいで感謝だぜぇ。」

「ぶーぶー、ガキンチョ言うな。」

リィン達に礼を言うレクターの言葉に頬を膨らませたミリアムはレクターの隣に来てリィン達を見つめ

「――まあいいや。それじゃあ、みんなバイバイ♪すっごく楽しかったからまた会えると嬉しいな!」

「お、おい……」

「ちょっと……!」

リィン達に別れの言葉を告げてレクターと共にその場から去った。



「な、なによもう……あっさりと行っちゃって。」

「”帝国軍情報局”……正規軍の情報機関ですよね?」

「フン、情報機関というより諜報機関と言うべきだろう。”鉄道憲兵隊”と並んで各地の領邦軍からは最大限に警戒されている組織だぞ。」

「やっぱりそうか……」

「あんな小さい子が軍の機関の所属なんて……」

ユーシスの話を聞いたリィンは納得した様子で頷き、アリサは驚きの表情で呟いた。



「ふむ……なるほどな。今のが宰相直属と
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