暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
竜の羽衣
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ンリエッタと別れ部屋をでると、最初に王宮まで連れてきてくれた兵士が待っていた。
後ろについて行ってやがて馬車まで来たが、乗る際にふとルイズは思いついた。

「ごめんなさい、学院じゃなくて行ってもらいたいところがあるんだけど・・・。」
「はあ、構いませんが。してどちらの方に?」
「えっとね・・・」










 タルブという村は、架たちのいた場所からそんなに遠くなく、シルフィードに乗って小一時間ほどの場所にあった。

「タルブなんて聞いたこともないって思ってたけどそのはずじゃない。こんな田舎なんですもの。」

 シルフィードから降りながら、キュルケはやや失礼な感想をもらす。
だが、確かにタルブは“田舎”という言葉がしっくりくるようなところだった。村の半分以上は田畑であり、その分緑色が多い。村人たちも農作業に勤しんでいるようで、城下町とはまた別の賑わいを見せていた。


「俺は好きだけどな、こういう風景は。」
「あらそう?ま、ダーリンと暮らすならこういう所も悪くないかもね?」

 あっさり手のひらを返すような言い方に架はため息をつきながら、目的である『竜の羽衣』について情報を改めて確認した。





“その昔、誰も見たこともない2頭の竜が凄まじい雄叫びと共に太陽から姿を現した。1頭はその場から消え去ったが、もう1頭はどこかに墜落した。その竜は今もどこかの地で傷ついた羽を休めているという―――”





「で、その眠っている地がこの村だと・・・。」
「羽衣なんて言うけど、本物の竜から作ったとか?マントの類かもね。」

 ギーシュもいろいろ妄想を働かせているが、ここで考えても仕方がない。まずは住民から話を聞こうと辺りを見回す。

「・・・あそこに。」

 タバサが杖で示した先を見ると、なるほど一人の少女が畑仕事をしていた。こちらに背を向けているが、背格好から架たちとおなじくらいの歳だろうか。

「すいません、少々お聞きしたいのですが。」
「?はい、何でしょう。」

 皆を代表して架が声をかけると、少女が振り返った。

「・・・ん?」
「・・・え?」

 次の瞬間、両者は固まることとなる。なぜなら、お互い見知った顔であったからだ。

「か、かかっかかかかかカケルさんっ!!?」
「・・・何でお前がここにいるんだ、シエスタ?」






「つまりシエスタはこのタルブの出身で、しかも『竜の羽衣』の持ち主の子孫だと。」
「ええ、まあ正確にはおじいさんの物なのでそんなに歴史があるものではないんですが。」

 あれからお互い我に返って事情を話すと、つまりはそういうことらしかった。今はシエスタの案内のもと、『竜の羽衣』があるという場
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ