暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
竜の羽衣
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ルイズも真剣に聞く態勢になる。
「貴女方に、城下の町に潜伏してもらいたいのです。」
「城下に、ですか?」
アンリエッタ曰く、最近貴族による平民に対する圧制や横暴の噂をよく耳にするという。他の貴族に尋ねてみても、貴族は平民の模範的存在であるためそんなことはあるはずがないと、誰も相手にしてくれないのだとか。
そこで、密偵として城下の平民の町に潜り込み、彼らの実際の声と動向を探って欲しいとのことであった。
「これを」と言ってアンリエッタは一枚の紙をルイズに手渡した。
「王室が発行する身分証明書です。いざとなったらこれが役に立つでしょう。」
「は、はい。ですが、その・・・」
「いいんですよ。貴女は私の大事な幼馴染なんですもの。言いたいことは何でも言って下さい。」
書を受け取ったルイズは何かを言いたそうであったが、アンリエッタは微笑みながらそれを促した。
言われた彼女はようやく「あの・・・」と切り出した。
「よろしいのですか?その、また内密に事を進めて・・・」
アンリエッタが何か失態を犯したという程度の話は、魔法学院にも風の噂に届いていた。当事者であるルイズたちはその内容を知っているため、アンリエッタの事を密かに案じていたのだ。
それでまた他の貴族に内緒でやろうというのだ。事がバレたらまたしても王宮からの不満が募ってしまう。ルイズが気にしているのはそこだった。
「ふふ、心配してくれてありがとう、ルイズ。」
「でも・・・」とアンリエッタは続ける。
「私は、このトリステインをもっといい国にしたいんです。貴族も平民も、出来る限り多くの国民が幸せだと思える国に。それが王家に生まれた私の使命であり責務だと思うんです。」
だから、嫌われたって平気です、と凛とした趣きにルイズは覚えがあった。
“でもそうなれば一番犠牲になるのは民だ。――――アルビオンはここで滅びるべきなんだ。”
ああ、そうか―――ウェールズ皇太子と似ているんだ。
死地い赴くため、最後に見せたあの微笑みと・・・。
そんなところが似通っているから、あの二人は互いに恋い慕うようになったのだろうか。
「そのためにも、今回の任務が必要なのです。協力してくれますか、ルイズ?」
自身よりも他人の幸せを優先する。
その生き方はルイズには眩しく尊い光のように見えた。
なら、自分は――――
「拝命仕りましたわ、アンリエッタ王女。」
この方に仕えよう。この方を支えよう。
いつも眩しいくらいの明るい笑顔で、前を向いていられるように・・・。
「ミス・ヴァリエール、魔法学院までお送りしましょう。さあ、馬車までご案内します。」
ア
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