暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
竜の羽衣
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 魔法学院から大分離れた草原で架たち一行は食事をとっていた。材料は本から知識を得ているタバサが選び、架が調理を担当した。

「へ〜、噂には聞いていたけどホントに上手ね〜。」

 初めて彼の料理を食べたキュルケはその出来に舌鼓を打っていた。

「でも流石に火は起こせなかったみたいだけどねぇ。」
「仕方がないだろう。いくら真似しようにも俺に素質がないのなら意味がないんだ。」

 ギーシュの言葉に架はほんの少しだけ拗ねたように返した。料理をする際、キュルケの火の魔法を見た架は自分も使おうとしたのだが不発に終わってしまったのだ。

 架の持つ魔術――――『模倣』
 一度見た相手の技や術を真似て会得してしまう力なのだが、これにはいろいろと欠点があった。
 その一つが、使用者の適正の問題である。今回のように、どれだけ見て真似ようとしても架自身に火の属性に対する適正がなければ発動することができない。
 悲しいかな、この能力は『才能がなければ意味がない』を顕著に表してしまう能力でもあるのだ。

「別に火なんて出せなくてもいいのよダーリン、私と一緒になれば必要ないわけだし。むしろそう、私とダーリンで二人の愛の炎を燃え上がらせるのよ!」
「タバサ、おかわりはいるか?」
「・・・いる。」
「もうっ、ダーリンったらいけずなんだからぁ!」

 腕に絡みつきながら力説するキュルケを普通にスルーする架。
 因みにだが、タバサがずっと黙っているのは食べることに集中しているからだ。痩せの大食いという言葉もあるが、ルイズより小さいその体のどこに入るのやら・・・。





「で、今後の方針なんだが・・・。」
「さすがにここまで残念な結果だとね・・・。」

 ここまでキュルケの持ってきた地図を頼りにいくつかお宝の眠っているであろう場所に行ってみたのだが、実際にはどう見ても価値のなさそうな錆びたフォークや鏡、果ては空っぽの箱が見つかるだけであった。さらに道中オーク鬼の群れに襲われたり、狩人が動物を捕獲するために作ったであろう罠に何故かギーシュが引っかかるなど散々な目に遭っている。

「お、おかしいわね。こんなはずじゃなかったんだけど・・・。」
「はあ、宝石の類が見つかると聞いて来てみれば。これじゃあ僕の使い魔も出番がないなぁ。」
「モクモク・・・」
「ああっ!僕のかわいいヴェルダンテ!そんな悲しい顔をしないでおくれ!誰がなんと言おうと君は僕にとって最高の使い魔さ!!」
 
地面から顔を出し如何にも申し訳なさそうに鳴いたヴェルダンテに頬ずりしながら叫ぶギーシュ。
 言ったのはお前だろうという目を送りながら架はキュルケに切り出した。

「キュルケ、すまんがそろそろ撤退することを提案する。ルイズはああ言ったのかもし
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