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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
57 少年の美学
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まま着ていくから」

少しがっかりした様子の彩斗はカードを渡した。
先程までは売ることが目的だったようだが、今はアイリスの着せ替えが楽しみになっていたようだ。
しかし彩斗は不思議と前にも同じような事があったような気がした。
既視感というのだろうか、だが少し考えるうちに徐々にそれは鮮明になっていく。
そしてそれは店員の方も同じだった。

「あっ、そういえば前にもいらっしゃったことありましたよね!?」
「……えぇ、多分」
「あの時はすいませんでした、男の子なのについつい可愛くて、いろいろ試着を勧めちゃって」

彩斗はかなり前、恐らく3年くらい前に来た時もこの店員の女性に接客され、その際に今のアイリスと同じように試着で着せ替え人形状態にされたことがあった。
彩斗はその当時から服には興味が無かったが、まだ施設の外の世界に馴染んでおらず、人見知りも相まって、うまく断れなかった覚えがある。
その時の流行り服や少しヒールな連中の好みそうな服、更にはそもそもメンズかどうかすら怪しいレディーステイストの服まで試着”させられた”。

「かなり昔の話なのによく覚えてますね」
「私も専門学校を卒業して就職して間もない頃、それも最初に接客したお客様だったもので……ずっと怒ってるんじゃないかと思って」
「いえ、別に」
「でも大きくなられて。前から可愛かったですけど、今も可愛いですね。もしかして今、モデルとかやられてたりします?」
「まさか。一番縁のない業界だね」
「でも月曜の9時に出てくる子役とか、この間のEightteenとかInBlueの表紙の子にも似てるし……それにこっちの()もすごく可愛いし。本当は子役カップルとかじゃないんですか?」
「えっ?私が可愛いなんて……それもカップルなんて…エヘッ」
「子役カップルじゃなくて、仲良し兄妹」
「……兄さんのバカ」
「そういえば、前にいらした時、それこそレッドカーペット歩いてそうな本場パリのトップモデルみたいな女性と一緒でしたよね?今日はご一緒じゃないんですか?」
「あぁ…彼女は…今日は」

「兄さん、誰のことですか!?」
「多分、ハートレスだ」

この店員が言っている絶世の美女は恐らくハートレスの事だろうと、彩斗は一瞬で思い当たった。
小声で聞いてきたメリーにもそう伝える。
確かにあの日もハートレスが同伴していた。
そして服を買ってもらったのだ。

「すっごく綺麗な人だったので、よく覚えてますよ!私もあんなふうになりたいなぁ、なんて今でも思ってますし!お姉さんですか?」
「お姉さん!?誰が……」
「まぁ、そんなところです」

少し怒りそうなメリーを宥めつつ、彩斗はレシートを受け取り、カードを返してもらうとアイリスがコピーロイドに再プラグインしたのを確認す
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