暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第51話
[7/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「アリサさん?」

「ボーっとしているようですけど、どこか具合が悪いのですか?」

一方大人の女性達と共に色々な事を話していたエマとプリネはアリサが呆けている事に気付いて尋ね

「ん……料理が美味しすぎて食べ過ぎちゃったみたい。少し苦しくなってきたから風に当たってくるわ。」

「そうですか…………」

「………………」

アリサの答えを聞いてそれぞれ納得いかない様子でアリサが住居を出て行く様子を見守り

(アリサ……?)

リィンは首を傾げて見つめていた。そこにエマとプリネが近づいて来てリィンに小声で話しかけてきた。



(その、何だかちょっと風に当たりたいって……リィンさん、できればついてあげてくれませんか?)

(もしかしたら何か悩みがあるかもしれませんし……誰かが聞いてあげた方がいいと思います。)

(それは構わないが……って、どうして委員長やプリネさんじゃなくて俺なんだ?)

エマとプリネに促されたリィンは戸惑いの表情で尋ねた。



(そこはほら、適材適所というやつですよ。)

(ええ、そうですね。)

(意味がわからん……けどまあ、行ってくるよ。)

そしてリィンもアリサの後を追うかのように住居を出た。



「…………ふう………………バカみたい……一人で空回っちゃって…………」

外に出たアリサは溜息を吐いた後複雑そうな表情でかつての幼い頃を思い出した。



〜数年前〜



「ほーら、アリサ。すっごい風景じゃろう!」

「うん、すっごいね!」

老人の言葉に幼いアリサは嬉しそうな表情で頷き

「ほらほら、二人とも。予定が押してるんだからさっさと行くわよ。」

「まあまあ、いいじゃないか。滅多にない休暇だ。君も少しは羽根を伸ばすといい。」

二人を急かそうとする女性を眼鏡の男性は苦笑しながら諌めていた。



〜現代〜



「…………………………」

「……アリサ?」

かつての幼い頃を目を閉じて思い出していたアリサにリィンが近づいてきた。

「リィン…………ど、どうしたの?あなたも食べ過ぎたとか?」

「ああ、結構頂いたかな。でも大丈夫か?フラついてるみたいだけど。」

「べ、別にちょっとぼうっとしてるだけで……少し風に当たればどうってこと―――きゃっ。」

アリサが突如倒れかけるとリィンがアリサに近づいてアリサを支えた。



「ご、ごめんなさい。」

「ほら、言わんこっちゃない。無理もない。今日は一日中、馬に乗ってたし、しかもリザイラとの激しい戦闘を繰り広げたからな。かなり体力を消耗したんだろう。」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ