第48話
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家族がいる事を知ったエステルは首を傾げ、ソフィのファミリーネームがソフィの故郷と同じである事が気になったシェラザードは不思議そうな表情で訊ねた。
「うん。”ラント”は領地の名前であると同時にその領地を治める領主の家族の名前でもあるの。」
「という事はソフィさんはその”ラント”という領主の親族という事でしょうか?」
ソフィの説明を聞いてある事に気づいたエルナンはソフィに訊ねた。
「そうだよ。”ソフィ”はアスベル達から貰った名前で”ラント”はアスベルから貰った私がアスベルの”家族”である証の名前で、どちらも私にとっては大切な名前。」
「”アスベル”って誰??」
「もしかしてその”ラント”って領地の領主の名前か?」
ソフィの口から出た初耳の名前にエステルは首を傾げ、今までの話からその人物がソフィの故郷の領主である事を察したルークは確認した。
「うん。”プロトス1”の私はアスベル達と違って限りない時を生き続けるから、いつかアスベル達とも永遠の別れが来て私だけがずっと誰もいなくなった世界で生き続ける事を悩んでいたのだけど………その事に悩んでいる私の為にアスベルは私をアスベルの娘―――”家族”にしてくれたの。そのお陰でアスベル達がいなくなった後の生き続ける目標ができて、今も生き続けているの。」
「その”目標”というのは何かしら?」
ソフィの話が気になったアーシアは真剣な表情で訊ねた。
「今いる人達だけじゃなくその子供達や子孫の人達をずっと笑顔にしたいって言うアスベルの想いをアスベルの子供達やその子孫に伝える事で、アスベルの想いを未来へと繋げて見守り続ける……それが私がずっと生き続ける為の”目標”だよ。」
「………………」
目の前にいる見た目は少女であるソフィが優し気な微笑みを浮かべて答えた想像もしていなかった話を聞かされたエステル達は驚きのあまり絶句した。
「フッ、彼女の方が俺達とは比べものにならない立派な”人間”だな。」
「ソフィさんもそうですが、そのアスベルという方も私達では到底考えつく事もできない立派な考えを持っている方なのですね…………」
「ハハ……ボクとしたことがガラにもなく胸が迫っているよ……」
「ま、今の話を聞いて涙腺が緩まない方がおかしいだろ……」
バダックは静かな笑みを浮かべてソフィを見つめ、クローゼは眩しそうにソフィを見つめ、寂しげな笑みを浮かべているオリビエにフレンは静かな表情で指摘し
「ちなみに貴女は自分の世界では今までどのくらいの年月を過ごしてきたのかしら?」
シェラザードは複雑そうな表情でソフィに訊ねた。
「えっと……今年でアスベル達と永遠のお別れをしてから300年だね。」
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