第44話
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
になるだろう。カノーネ君……今まで本当にご苦労だったね。」
「……あ…………」
「これでもう……君が無理をする必要はない。私など助けるために命を賭けなくてもいいんだ。だから死ぬなどと……哀しいことを言わないでくれ。」
「リシャール……閣下……。……ううっ……あああっ……。うああああああああッ……!」
リシャールの言葉にカノーネはしばらくの間、大声で泣き続けた。
「な、なんだあっ!?」
「あら……この声は情報部のオバサンじゃない。一体何があったのかしら?」
一方カノーネが尋問されている部屋の隣の部屋にいたルークは隣から聞こえてくる泣き声に驚き、レンは首を傾げた。
「何……ちょっと裏ワザを使わせてもらったようなものだ。」
「父さん。」
その時カシウスが部屋に入ってきた。
「うふふ、あのオバサンを泣かせるなんて、さては服役中のリシャール大佐と合わせたのかしら?」
「へっ!?」
「やれやれ……相変わらず恐ろしい程勘が冴えているな。」
小悪魔な笑みを浮かべて尋ねたレンの質問を聞いたルークは驚き、カシウスはレンの鋭さに脱帽した。
「――――それよりパパ、レンは一体どうなるのかしら?――――まさかとは思うけどリベール中で暗躍をしている”結社”の手先である”執行者”と血縁関係があるからと言って、拘束や行動の制限、後は監視はしないわよね?」
「当たり前だ。第一”今は”俺の娘で、幼い頃から遊撃士として俺達と共に頑張ってきた事を知っているこの俺がそんな事を許す訳がないだろうが。今回お前を呼んだのは形式的な”事情聴取”だ。俺達がお前は悪くないと言っても、軍として”犯罪者”と血縁関係にある者には事情聴取をしておかないとまずいからな。」
「そう。まあ、そうだと思っていたわ。それにしても予想していたとはいえ、レンにとっては大迷惑な事をしてくれたわね……血縁者が”犯罪者”だから、”血が繋がっているという理由だけ”でレンが”犯罪者の家族”として見られて、今まで積み上げてきた信用がなくなっちゃうかもしれないし。」
「…………………」
「え、えっとレン……?それ以外に何も思う事はないのか……?」
血縁者を”犯罪者”と言いきって、不愉快そうな表情をしているレンを見たカシウスは目を伏せて黙り込み、ルークは不安そうな表情で尋ねた。
「別に。双子の姉のレンを捨てて、どこかに行った妹なんて、今更どうでもいいし、レンの家族じゃないわ。レンの本当の家族はパパやルークお兄様達なんだから。むしろレンの潔白を示す為にレン自身の手でレンに大迷惑をかけているユウナを始末したいぐらいよ。」
「………その事なんだが、レン。もしかしたら”執
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ