第44話
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に……」
「今回に事件について陛下と相談したいことがあってな。それとは別の用事があって先ほど王都に到着したばかりだ。」
「そうでしたか……」
「ご多忙の中、お疲れ様です!」
「カシウス・ブライト……。諸悪の根源が現れたわね……。貴方もわたくしを……嘲笑いに来たというのかしら?」
シード中佐とユリアが敬礼している中、カノーネは憎々しげな様子でカシウスを睨んだ。
「やれやれ、嫌われたものだ。これでもリシャールに負けないくらいの男前だと自負してるんだがなぁ。」
「ふ、ふざけるなアアッ!貴方さえいなければ……閣下は……リシャール閣下は……」
溜息を吐いて自分の事を語るカシウスをカノーネは睨んで、大声で怒鳴り、悔しそうな表情で語ろうとしたその時
「コホン、准将……。あまり彼女をからかわないでもらえませんか?」
部屋内の人物達ではない男性の声が部屋の入口付近から聞こえて来た。
「え……」
「今のは……」
「ま、まさか……」
男性の声を聞いたその場にいる全員が驚いて入口を見つめたその時、かつてのクーデター事件の首謀者であったリシャールが服役姿で部屋に入って来た。
「…………あ………………」
「リ、リシャール大佐!?」
「……お久しぶりです。」
リシャールの登場にカノーネは呆け、ユリアは驚き、シードは懐かしそうな表情で挨拶をした。
「久しぶりだね。シード中佐、シュバルツ大尉。それに……カノーネ君もな。」
「あ……ああ……」
リシャールに微笑みかけられたカノーネは身体中を震わせていた。
「服役中の身であるが准将にわがままを言ってここに連れてきていただいた。どうしても君と直接、会って話がしたかったんだ。」
「……わたくし……と?」
リシャールの話を聞いたカノーネは信じられない表情でリシャールを見つめた。
「ああ……。―――すまない、カノーネ君。私の傲慢と視野の狭さが君たちを巻き込んでしまった。前途有望で有能な若者たちを犯罪行為に荷担させてしまった。そのことをずっと謝りたくてね。」
「おやめください、閣下!わたくしたちは自分の意志で……」
謝罪するリシャールにカノーネは恐縮しながら答えようとしていた。
「いいや、これは私の責任だ。君たちは、私の方針の元、動いてもらっていたに過ぎない。その意味では今回の事件も私の責任と言ってもいいだろう。」
「そ、そんな……」
リシャールの話を聞いたカノーネは目を伏せた。
「だから……ここに改めて宣言しよう。―――只今をもって王国軍情報部は解散する。以後、その任務は軍司令部に引き継がれること
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