2部分:第二章
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いる。一見するときつそうな顔だが笑うとくしゃり、と崩れて優しい感じに見える。実に不思議な笑顔だった。
「わかったわ。じゃあ行きましょう」
「ええ。買い物しながらね」
「買い物!?」
「制服なのよ」
そのくしゃりとなった顔で倫子に言うのだった。
「高校生のアクセサリーとか買い放題よ」
「そうなの」
「そうなのって。普通スーツとかでそういうものは買えないでしょ」
くしゃりとなっていた笑顔が苦笑いになっていた。今度は学者めいた顔になっている。知的できつめの顔だが色々な笑顔に合っていた。
「だからよ。こうした機会にね」
「あんたって意外と少女趣味だったの?」
「悪いかしら」
倫子にこう言われると顔を少し赤くさせてきた。
「意外っていうか何ていうか」
「学生の頃から好きなのよ」
今度はそれを完全に肯定してみせてきた。
「制服もね」
「成程ね」
「流石に体操服とかは持っていないけれど」
それは否定するのだった。
「ブルマーとか。嫌いだし」
「あれ着ていたら変態よ、完全に」
「男の人でそういうの好きな人は入るけれどね」
「完全に変態ね」
それは思いきり否定する倫子だった。
「制服だってやばいのに。本当に大丈夫かしら」
「大丈夫よ。じゃあ話が決まったら」
「行くのね」
「そういうこと」
洋子の笑顔がまたくしゃりとしたものになっていた。
「いいわね」
「わかったわ。ここまで来たらね」
まずはトイレを出て白い百貨店の店の中を進みピンク色の如何にもといった店の中に入る。店の中は制服の女の子で一杯だった。誰も彼もがミニスカートから足を見せている。にこにことしてアクセサリーを物色する洋子の隣で倫子はその女の子達と自分、そして洋子を見比べていた。とりわけその足を。自分達の足が気になって仕方ないのだ。
「やっぱり足は」
「まだ言ってるの?ばれる筈ないわよ」
洋子はこう倫子に言葉をかけながらアクセサリーを物色し続けている。ブローチをあれかこれかといった感じで探すその姿は確かに女子高生のものだった。
「安心しなさいって」
「足が」
「足!?」
「ミニだから。余計に」
「そういえばあんた普段はタイトかズボンよね。タイトっていっても膝までの」
「あんただってズボンばかりじゃない」
倫子は眉を顰めさせて洋子に告げた。
「違うの?スカートなんて全然穿かないじゃない」
「今穿いてるわよ」
「そういう問題じゃなくて」
今度は口も顰めさせてきた。
「足が。気になって」
「奇麗な足してるじゃない」
倫子の足をちらりと見てからの言葉だった。
「色も白いしソックスも似合ってるし」
「そうかしら」
「制服はミニスカートだからいいのよ」
赤いブローチを手に取りながら半分意に介さずとい
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