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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第48話
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情でファトマを見つめた。
「長旅で疲れていたのもあるのだろう。ノルド料理は疲労に効く滋養の高いものが多いからな。」
「なるほど、確かに身体の芯から効いてくるような。」
ラカンの説明を聞いたリィンは納得した様子で頷き
「……あとでレシピを聞いてシャロンにも教えてあげようかしら。」
アリサは興味ありげな表情で考え込んでいた。
「あのあの、こちらのお茶も召し上がってくださいっ。ノルドハーブを使った消化にいいお茶でっ……」
「ふふ、ありがとう。」
「ほっとするような懐かしい味ですね……」
その後夕食を終えたリィン達はラカンからノルド高原についての説明を受けていた。
「―――このノルドの地はある意味、とても自由な場所だ。帝国人である君達には新鮮であり、不便でもあるだろう。だが、そんな場所であっても君達と関係がないわけではない。」
「士官学院を創設したドライケルス大帝……ですね。」
「”獅子戦役”においてこの地で挙兵した逸話ですか。」
ラカンの話を聞いたエマとリィンはそれぞれノルド高原と士官学院の関係を思い出した。
「ああ、ノルドの民の間でも伝承として語り継がれている。そして戦役が終わった後、ノルドの民は、彼の継いだ帝国と長きに渡る友情を誓い合った。その善き関係が、今日に至るまで継いでいるというわけだ。」
「なるほど、ノルドの地は正確には帝国領ではない……」
「共に誓い合った隣人同士というわけですね。」
「とても素敵な関係ですね。」
説明を聞いていたユーシスとリィンはそれぞれ頷き、プリネは微笑んだ。
「ああ、しかし昨今、”カルバード”という東の大国が高原の南東に進出してきた。東に住む一族などは交流を深めているようだが……どうやら、それが少しばかり緊張をもたらしているようだな。」
「……帝国と共和国は昔ながらの宿敵同士ですから。」
「ここ数年、直接的な戦争こそ起きていませんけど……政治・経済的な対立はむしろ深まっていますね。」
「つい最近も、クロスベルで大きな事件が起こったようだが……その背景にも、帝国派と共和国派の対立関係があったと聞いている。確か……その事件の解決を手伝った事がきっかけでメンフィル帝国も”クロスベル問題”に関わるようになったのだったな?」
「ええ……イリーナ様とイリーナ様の祖父であるマクダエル議長の希望で今までお二人の関係は隠していましたが……もはや見過ごせない事態と判断したメンフィル帝国が少しでも”クロスベル問題”を緩和できるように公表し、強引なやり方になりますが介入する事にしたんです。」
ユーシスに視線を向けられたプリネは静かな表情で頷き
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