第42話
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部下だからな。侮ったお前のミスということだ。」
「どうやらそのようね……。それで、あなた達。何をしようというのかしら?」
「なに……?」
「アルセイユに搭載された移動式の導力榴弾砲……。そんなものでこの『オルグイユ』に対抗できるとでも思って?」
眉を顰めているユリア大尉にカノーネは不敵な笑みを浮かべて尋ねた。
「対抗できぬまでも足止めくらいはできるさ。じきにシード中佐の部隊もこちらに到着するはずだ。投降した方が身のためだぞ。」
「うふふ……。アーハッハッハッ!」
「……なにがおかしい。」
自分の警告を聞いて突如笑い出したカノーネが理解できないユリア大尉は訝しがって尋ねた。
「相変わらずね、ユリア……。真っ直ぐで凛とした気性は士官学校の頃のまま……。昔から顔を合わせるたびにいがみ合ってきたけれど……。わたくし、あなたのそういう所は決して嫌いではなかったわ。」
「カノーネ……それは私の方も同じだ。」
「でもね……。リシャール閣下の解放を邪魔するなら容赦しないわ!」
「!!仕方ない……。1番、2番共に発射用意!戦車の足を止めるぞ!」
カノーネの固い決意に説得を諦めたユリア大尉は親衛隊員達に指示をした。
「イエス・マム!」
親衛隊員達が導力榴弾砲にエネルギーを充填し始め
「撃て――」
ユリアが号令したその時、オルグイユに装着されてあった漆黒のオーブメント『ゴスペル』が妖しく輝き、ユリア大尉達の周りの導力が全て停止し、導力で動いている榴弾砲も停止した。
「な……!?」
「だ、だめです!機能停止しました!」
「くっ……導力停止現象か!?だが、そんな事をすれば肝心の戦車だって……」
導力が停止した事に焦ったユリア大尉がオルグイユを見たその時、なんとオルグイユは動き始めた!
「ば、馬鹿な!どうして動ける!?」
そしてオルグイユは砲弾や高出力の導力を放って導力榴弾砲を破壊した!
「なっ……」
さらにオルグイユは銃弾をユリア大尉達に向けて連射して放った!
「うおっ……!?」
銃弾を受けたユリア大尉達は傷つき、跪いた。
「周囲の導力器を停止しながらも接続した機体は動かせるユニット……。うふふ……予想以上の力ですわね。」
「くっ、カノーネ……。その『ゴスペル』はいったい……」
「うふふ、ある筋から入手したのよ。『実験』を手伝うのと引き換えにね。」
表情を歪めて自分を見つめるユリア大尉の様子を見たカノーネは勝ち誇った笑みを浮かべて答えた。
「な、なによあれ!?」
「新型ゴスペルを使った”身喰らう蛇”の実験……!
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