第41話
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
娘どもの言葉に……心を乱さねばならんのだ……」
「公爵閣下のご心痛、お察し申し上げますわ。」
自分の独り言に答えた女性の声に気付いたデュナン公爵が声が聞こえた方向を見つめるとそこには驚くべき人物がいた。
「な……。お前はリシャールの……」
クーデター事件後行方を眩ませ、王国軍に指名手配されているはずの人物―――カノーネ大尉を見たデュナン公爵は驚き
「ええ、副官のカノーネです。公爵閣下におかれましてはお元気そうで何よりですわ。ふふ、あまりご機嫌は宜しくないようですけど……」
「な、何の用だ……。お前たちはたしか指名手配されている身では……」
不敵な笑みを浮かべて自分を見つめるカノーネ大尉に恐怖を感じたデュナン公爵が下がると、いつの間にか特務兵達がデュナン公爵の背後にいた。
「ひっ……!?」
「ふふ、そう警戒されると傷ついてしまいますわ。わたくしたちはただ……公爵閣下のお手伝いがしたいだけ。さあ、一緒に来て頂きますわよ。」
そしてデュナン公爵はカノーネ大尉達にどこかに連れて行かれた。
〜グリューネ門・アーネンベルク〜
「ヨ、ヨシュ―――」
人影を見たエステルは嬉しそうな表情でかけよったが、そこには自分が望んでいた人物ではなく
「あ……?」
「へっ……?」
なんと人影の正体はケビンであった。
「エステルちゃんか……?」
「ケビンさん……。ど、どうしてここに……?」
ケビンに驚いたエステルは辺りを見回して、ヨシュアを探したが、ヨシュアは見つからなかった。
「い、いない……」
「いや〜、ひさしぶりやなぁ。しかし、こんな所で再会するなんてオレら、やっぱり縁が―――」
「ねえ、ケビンさん!ここで誰か他の人に会わなかった!?」
「へっ……誰かって。まさかエステルちゃんもここで待ち合わせしとんの?」
血相を変えて自分に尋ねるエステルに戸惑ったケビンは不思議そうな表情で尋ねた。
「う、うん……。……って、ケビンさんも?」
「ああ……手紙に呼び出されてな。」
「あ、あたしもだ。えへへ、面白い偶然もあるもんね。」
「はは、そうやねー。―――って、そんな偶然あるかいっ!」
「や、やっぱり?それじゃあケビンさんもヨシュアに呼び出されて……」
ケビンがヨシュアに呼び出された事に違和感を感じるエステルは戸惑いの表情で尋ねたが
「ヨシュア?それって……例のカレシやったっけ?」
「う、うん……」
「し、知らんかったわ……。ヨシュア君って実はいい年したオッサンやったんか。そりゃ、愛があれば年の差なんて問題あらへんけど……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ