〜白き花のマドリガル〜前篇
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ユリウスの求婚にセシリアは目を見開いた。
「………失礼します。」
そしてユリウスは一礼し、去った。
「………ああ。……とうとうこの日が来てしまったのね……どうすれば………」
一人になったセシリアは悲哀の表情になった。そこに妖精役のパズモとマーリオンが舞台脇から現れた。
「まあ、あなた達はもしかして妖精さん!?」
パズモ達の登場にセシリアは驚いた。
(さて……と。私も演技をしますか。)
パズモはセシリアの周囲を飛び回り、セシリアの肩に止まった。
「セシリア様……私達妖精は……あなた達がまだ子供の頃から……ずっと見てました。あなたの笑顔は……私達妖精も……何度元気づけられ事か。……今度は私達が……恩を返す番です。……どうかセシリア様が……今したい行動を……おっしゃって下さい。」
「………………ありがとう。じゃあ、一つお願いしていいかしら?」
マーリオンの言葉にセシリアは微笑みながら答えた。
(あれは一体………)
(わぁ……妖精さんだ!)
(学園長……あの生物達は一体……)
(………わかりませぬ。お伽噺等で出てくる妖精のようにも見えますが……そう言えばジル君が今回の劇は驚くところがあるから当日まで秘密と言っていたが、まさか妖精達を劇に出すとは……一体どうやったんだ?)
パズモとマーリオンの登場に講堂内は静かに騒ぎ出し、ダルモアの質問にコリンズは困惑しながら答えた。
(フッ………まさか、マーリオンまで参加しているとは思わなかったな………)
小声で囁き合う観客達の声を気にせず、リウイは口元に笑みを浮かべた。
そしていよいよ劇『白き花のマドリガル』は終盤に差し掛かった………
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