第52話
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ってもおかしくないのに、そういった事はなく、リフィアを含めシルヴァンやカミ―リ、ほかの腹違いの兄や姉達から可愛がられ正式な皇女に扱われている自分がどれだけ恵まれているかを理解しているプリネは黙って耳を傾けていた。
「す、済みません……。つまらない話を長々と聞かせてしまって。」
「ううん、そんな事ない。明日の劇……頑張って良い物にしようね!」
「私も精一杯がんばらせていただきますので、明日の劇……絶対に成功させましょう!」
「……はい!」
エステルとプリネの心強い言葉にクロ―ゼは微笑んで頷いた。そしてクロ―ゼはある事を思い出し、2人に尋ねた。
「そういえば……ミントちゃんとツーヤちゃんの事……お二人はどうするか決められましたか……?」
「あ、そのことね。プリネやヨシュアと何度も相談してやっと決めたわ。」
「私はツーヤちゃん。エステルさんはミントちゃんの”パートナー”になってこれからの人生を共に歩むつもりです。」
「そう………なんですか………」
エステルとプリネの答えにクロ―ゼは表情を暗くした。
「クロ―ゼや孤児院のみんなは寂しがると思うんだけど、これだけは譲れないわ。………どういえばいいんだろう……?ミントちゃんに出会ってからなんとなくミントちゃんをずっと見守りたい気持ちになるのよね。」
「ええ。それにツーヤちゃん達は私達をずっと待っていたんです。だったらそれに答えてあげるのが”パートナー”というものでしょう?」
「………………………エステルさん、プリネさん。」
少しの間目を閉じて考えたクロ―ゼは口を開いた。
「はい。」
「何?クロ―ゼ。」
「私が言うのは筋違いかもしれませんが………2人の事を……大事にして下さい……」
「モチのロンよ!だってあたしはミントちゃんにとってはお母さんなんだから!まだ16歳のあたしが母親をやるなんて無理があるけど、ミントちゃんがいい大人になるよう頑張って育てるわ!ヨシュアは最初、反対してたけど最後には納得してくれたから大丈夫よ!」
「私もツーヤちゃんが立派な大人になれるようお父様達といっしょに大事に育てるつもりです。だから安心して下さい。」
「(エステルさんならきっとミントちゃんを大事に守ってくれるでしょうね……ツーヤちゃんの未来もメンフィル皇女のプリネさんの傍にいれば華々しく明るい未来になるでしょう……この人達なら………)ありがとう……ございます………」
エステルとプリネの答えにクロ―ゼは目に溜まっていた涙をぬぐって笑顔で答えた。
その後ヒロイン役をするヨシュアの演技の上手さの話に花を咲かせていたエステル達はヨシュアやハンスと合流した後、明日の本番の
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