第39話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ステルは驚きの表情で声をあげたがクローゼに気づくと申し訳なさそうな表情で謝罪した。
「いえ、私は気にしていませんので大丈夫です。」
「ちなみにそのレイシスって王子は今どこで何をしているんだ?以前のクーデターじゃ姿も見てない上、名前すらも聞いた事がなかったぞ。」
「レイシスお兄様はご自身の見聞を広めて将来リベールの王となる私かデュナン小父様を支える為に世界各国を放浪していらっしゃっているのです。」
「そうなんだ……ちなみにどんな人なの?」
まだ見ぬリベールの王子が気になったエステルは興味ありげな様子でクローゼに訊ねた。
「王族としての物腰や振る舞いが完璧な方で、それでいて気さくな方でもあります。母は違いますがお兄様には幼い頃から血が繋がった本当の妹のように可愛がってもらいました。ちなみに剣術は相当な腕前でユリアさんどころかリシャール大佐もお兄様には一度も勝てなかったんですよ。」
「ええっ!?ユ、ユリア大尉どころかリシャール大佐でも勝てないって、滅茶苦茶強いじゃない!」
「おいおい……あの大佐より格上とか下手したらカシウスのオッサンともまともに渡り合えるんじゃねぇのか!?」
クローゼの口から語られたクローゼの兄の圧倒的な強さを知ったエステルは驚き、アガットは信じられない表情をした。
「フフ、私は直接見ていませんがユリアさん達の話ですとまだ剣を使っていた頃のカシウスさんに一本だけ取った事があったそうですよ。」
「まあ……本来の得物である剣を使った”剣聖”相手に一本取った事があるなんて、相当な腕前ね。」
「………………」
「あ、ありえねえ…………」
驚愕の事実にアーシアは目を丸くし、エステルは口をパクパクさせ、アガットは呆然とした表情をしていた。
「ふふっ、それにお兄様はとても聡明な方でジェニス王立学園を主席で卒業されたのです。」
「しゅ、”主席”〜〜!?それってその学園で一番賢い生徒って事じゃない!」
「フフ、まさに”文武両道”ね。」
クローゼの説明を聞いたエステルは驚き、アーシアは微笑んでいた。
「ま、まさかクローゼにそんなすごいお兄さんがいたなんて……」
「フフ、私がずっと尊敬している自慢の兄です。……だからこそ、時々思うのです。私ではなくレイシスお兄様の方がお祖母様の跡継ぎに相応しいのではないかと。」
驚きのあまり口をパクパクさせているエステルに微笑みながら答えたクローゼだったがすぐに辛そうな表情になったが
「クローゼ…………元気出して!さっき公爵さんにも言ったでしょう?近い内クローゼが将来どうするか公爵さんに証明するって!それにそんな凄いお兄さんもクローゼがリベールの女王にな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ