第39話
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期国王に指名しようとしていたのはどうしても納得がいかなかったのだ!」
「………………………………」
デュナン公爵に睨まれたクロ―ゼは何も返さず黙っていた。
「ちょ、ちょっと!聞き捨てならないわね!クローゼは頭が良くて勉強家だし、人を引き付ける器量だってあるわ!公爵さんに、小娘とか言われる筋合いなんて……」
「……エステルさん、いいんです。」
自分の代わりに怒っているエステルをクローゼは制した。
「前にも言ったように私は……王位を継ぐ覚悟ができていません。小父様が不快に思われるのも当然と言えば当然だと思います。」
「クローゼ……」
「ふん、殊勝なことを。昔からそなたは、レイシス同様公式行事にもなかなか顔を出そうとしなかった。知名度でいうなら、私の方が遥かに国民に知れ渡っているだろう。すなわちそれは、そなたやレイシスに上に立つ覚悟がないということの現れだ。」
「………………………………」
デュナン公爵の厳しい言葉にクロ―ゼは何も返さず黙っていた。
「聞けばそなた、身分を隠して学生生活を送っているそうだな。おまけに孤児院などに入り浸っているそうではないか。そしてレイシスはレイシスで”社会勉強”という名目で世界各国を放浪していると聞く……そんなことよりも、公式行事に出て広く国民に存在を知らしめること……。それこそが王族の役目であろう!」
「……それは………」
デュナン公爵の指摘にクロ―ゼは辛そうな表情をした。
「………………………………。あたしは王族の役目とかぜんぜん詳しくないから……。ひょっとしたら公爵さんの言うことも一理あるかもしれない。」
「わはは、当然だ。」
唐突に言い出したエステルの言葉を聞いたデュナン公爵は笑いながら胸をはった。
「でも、これだけは言えるわ。クローゼは今、悩みながらも答えを出そうと頑張っている。少なくとも、謹慎を理由に何もしてない公爵さんよりもね!」
「な、なにィ!?」
しかしエステルの言葉を聞いたデュナン公爵は驚いた。
「エステルさん……。……あの、デュナン小父様。私は今、エステルさんのお手伝いをさせて頂くことで自らの道を見出そうとしています。私に女王としての資格が真実、あるのかどうなのか……。近いうちに、その答えを小父様にもお見せできると思います。ですからそれまで……待っていただけないでしょうか?」
自分を庇うエステルを見てクロ―ゼは凛とした表情でデュナン公爵を見て言った。
「ぐっ……。ふ、ふん、馬鹿馬鹿しい。ええい、不愉快だ!とっとと部屋から出ていけ!」
「言われなくても!」
デュナン公爵の言葉を聞き鼻を鳴らしたエステルは仲間達と
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