第十一話 操られし風!あらぶるは雷鳴の獣!
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
七十五層、コリニアの転移門近く。
クレイは今日もそこに居た。
「……今日も来ない、かぁ」
落胆した表情で、クレイはウインドウを閉じる。
クウトが消えてから二日。何時もならこの街にいる時間帯だが、クウトは姿を現さない。
キリト達に助けを求めようかと思ったりもしたが、彼らは今新婚となり、二十二層で休暇中だ。無理には頼めない。
「……いつになったら帰ってくるのさ、クウト君」
小さく呟いて、それから息を吐く。
それからドラゴン・ファングのギルドに戻ろうとしたところで。
ビーッ!ビーッ!
警戒音がなり響いた。
「えっ!?」
咄嗟に顔をあげ、左右を見る。そして、辺りのプレイヤー達を見ると、その瞬間にメッセージが届いた。
『プレイヤー諸君。ある一人のプレイヤーを殺してほしい。彼は今後のこの世界の維持に支障をきたす恐れがある。既にコリニアは圏外にされてしまった』
「……えっ!?」
そのメッセージと共に、圏外……所謂フィールドに出たと言うメッセージが現れた。
「……街が、フィールドに!」
クレイは直ぐにスクロールし、そのプレイヤーの名前を見ると、驚愕した。
「……嘘」
そして、次の瞬間、
ザンッ!
「っ!」
クレイは瞬間的に反応し、バックステップをする。
そして、そのプレイヤーを見て、非難するように叫んだ。
「何で……何をやってるの!クウト君!!」
それは、変わり果てたクウトだった。
「何で、クウト君が……」
側に居たホーリーナイトが前に出る。
途端、クウトは六本の刀を抜いて一歩を踏み出した。
「ホーリーナイト!」
『おおっ!!』
初めて叫びを上げたホーリーナイトが盾を突き出す。
モンスター専用盾ソードスキル『不屈の防壁』。
ソードスキルと言うよりは補助に近いそれは、クウトのユニークスキル?連刃?の攻撃を防ぐ。
だが、受けた盾は一撃で破砕し、ホーリーナイトのHPが三割減らされた。
「っ、やぁあああっ!!」
躊躇しながらも、短剣を取り出したクレイが攻撃する。
短剣重連続剣技?レゾナンス・リアクター?。
それはクウトの胴に入るーーー直前でクウトがクレイの腹に蹴りを叩き込む。
「うあっ!!」
吹き飛んだクレイは、辛うじてホーリーナイトに抱き抱えられて体勢を建て直す。しかし、クウトの一撃がクリーンヒットしたせいか、四割削られていた。
(これが、攻略組の……クウト君のステータス……)
ズキズキと痛む腹を押さえながら、短剣を握るクレイ。
しかし、構えさせまいとクウトが追撃する。
「■■■■■■■■ーーーーー!」
まるでバーサーカーの様な雄叫びを上げ、突貫してくるクウト。その速度はクレイの回避速度を大いに上回っている。
(駄目!間に合わないーーーー!!)
心の中でク
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ