第50話
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なかなかユニークな内容だね。それに女性騎士団長なんて珍しくてお客の目を引きそうだね。」
エステルとプリネの会話に微笑ましく思ったヨシュアは劇の内容について仮の感想を言った。
「女騎士に女性騎士団長?3人に演じてもらうのはれっきとした男の騎士役に騎士団長役だぜ?」
「え。」
ヨシュアの感想に以外そうな表情で答えたハンスの言葉にヨシュアは驚いた。
「しかし、ヨシュアさんの方は文句のつけようがないわね……。期待してもいいんじゃない?」
「ああ、悔しいが同感だぜ。」
「???」
「えっと、その劇……どういう筋書きなのかな?」
ヨシュアを見る目が妖しいジルの言葉にハンスは頷き、エステルは2人の言葉に首を傾げ、ヨシュアは嫌な予感がしながらも尋ねた。
「題名は『白き花のマドリガル』。貴族制度が廃止された頃の王都を舞台にした有名な話なの。貴族出身の騎士と平民出身の騎士による王家の姫君をめぐる恋の鞘当て……。しかもこの3人、身分は違うけどお互い幼なじみの関係にあってね。それに、貴族勢力と平民勢力の思惑と陰謀が絡んできちゃうわけよ。まあ、最後は大団円、文句なしのハッピーエンドだけどね。」
「へ〜、面白そうじゃない♪」
「ええ、中々いいお話ですね。」
「そ、それで……。どうして女の子が男性役を?」
劇の内容をジルが説明し、それを知ったエステルとプリネは期待したがヨシュアは不安そうな表情で尋ねた。
「それが、今回の学園祭ならではの独創的かつ刺激的なアレンジでね。男子と女子が、本来やるべき役をお互い交換するっていう趣向なのさ。」
「男女が役を入れ替える?へ〜、そんなのよく先生たちが許してくれたわね。」
「性差別からの脱却!ジェンダーからの解放!そして新しく現れた異世界の種族との協力!…………とかなんとか理屈をこねて無理矢理押し通したちゃったわ。本当は面白そうっていう、それだけの理由なんだけど♪」
「ジルったらもう……」
「ほんと、こんなヤツが生徒会長とは世も末だよな。」
力説した後、無邪気に笑うジルにクロ―ゼは苦笑し、ハンスは溜息をついた。
「あはは♪うん、確かに面白そうかも。」
「エ、エステルさん。私達はいいかもしれませんが、この流れで行くとヨシュアさんが……」
ジルの考えにエステルは笑って同意したが、プリネは横目でヨシュアを見て言いかけた所にヨシュアが青褪めて会話に割って入った。
「ちょ、ちょっと待った!その話の流れで言ったら……。僕が演じなくちゃいけない『重要な役』っていうのは……」
「いやぁ、ホント助かったぜ」
「クローゼ、ありがとね。いい人たちを紹介してくれて♪」
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