第47話
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迷惑をかけるんじゃねえぞ。」
アガットは入口の方を見て、クラムに言った。アガットにつられたクラムは入口にいた人物を見て驚いた。
「え……」
「クラム……」
「せ、先生!?」
「どうしてここが…………」
入口にはテレサがいて、マノリア村にいるはずのテレサにクロ―ゼは驚いた。
「ギルドで事情を伺ってそちらの方に案内していただきました。クラム、あなたという子は……」
「こ、今度だけはオイラ、あやまんないからな!火をつけた犯人をゼッタイにオイラの手で……」
「クラム!」
強がったクラムだったがテレサの怒鳴りに飛び上がって黙った。
「テレサ先生……。どうか叱らないであげて下さい。」
「いいえ。叱っているのではありませんよ。ねえ、クラム……。あなたの気持ちはよく判ります。みんなで一緒に暮らしたかけがえのない家でしたものね。でもね……。あなたが犯人に仕返ししたとしても燃えてしまった家は戻らないわ。」
クロ―ゼのクラムを庇う言葉に首を横に振ったテレサはクラムを優しく諭した。
「あ……」
「あなたたちさえ無事なら先生は、もうそれだけでいいの。他には何も望まないから……。お願いだから……危ない事はしないでちょうだい。」
「せ、先生……。……ううううううう……。うわああーーーーん!」
クラムはテレサに抱きついて泣いた。
「グス……。こういうのには弱いかも……」
「はい……。本当に、無事でよかった……」
クラムとテレサのやり取りにエステルは感動して目を拭い呟き、クロ―ゼも同意した。
「ったく……。これだから女子供ってやつは。おい、小僧。院長先生たちを連れてさっさとここを引き上げろや。どうもこういうのは苦手でな。」
「構いませんけど……。アガットさんはどうするんですか?」
アガットの言葉に頷いたヨシュアは聞き返した。
「決まってんだろ……このバカどもが犯人かどうか締め上げて確かめてやるんだよ!たっぷりと急を据えてからな!」
「ひえええええっ。か、勘弁してくださいよ〜!」
ヨシュアの疑問に答えたアガットはディンに近付き睨んで答え、ディンはアガットの睨みと言葉に顔を青褪めさせ震えあがった。
「なるほど……。そういう事ならお邪魔したら悪そうですね。」
そしてエステル達はロッコ達の事はアガットに任せ、ヨシュアはボートを返しに行き、エステルとクロ―ゼはテレサとクラムをマノリア村まで送った……
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