5部分:第五章
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第五章
「そういえば晩御飯はね」
「御馳走だったよね」
「あっ、このカーテン!」
「間違いないね」
しかし能天気な彼等とは裏腹に二人は部屋の中を調べていた。そうしてカーテンが引き裂かれているのを見て何が起こったのかを悟ったのだった。
「貴方達!」
「何てことしたんだい!」
「あれっ、僕達?」
「みたいだよね」
ここで自分達に声がかけられたことはわかるのだった。
「どうやらね」
「何でかな」
「そこに座りなさい!」
「だめじゃないか、こんなことをしたら!」
ここから彼等は二人に延々と御説教を受けた。彼等はそれを座って聞くだけだった。しかしであった。彼等はそれを憮然として聞いていた。それが終わると。
「今度こんなことしたら許しませんよ!」
「お仕置きとして御馳走は明日。いいね」
「えっ、御馳走はなしかよ!」
「いつもの御飯かよ!」
彼等は抗議するがこれは聞き入れられなかった。こうして彼等はあえなく普通の晩御飯となった。
「ちぇっ、何でだよ」
「なあ」
彼等はその御飯を食べながらぶつくさと不平を漏らしている。その間にも桜と洋介は部屋の中をせっせせっせと掃除して元に戻していた。
「僕達怒られるようなことしてないのに」
「むしろあれだよね」
トレーパーがブライアントに言う。彼等は今皿の上のフェレットの餌を食べていた。彼等が普段から食べているそのフ通の御飯である。
「褒められるべきだよね」
「そうだよ」
ブライアントも言う。
「蜘蛛を捕まえようとしたのにね」
「侵入者をね」
彼等にとってはあくまでそうなのだった。
「それで何でだよ。こんなに怒られるなんて」
「おかしいよ」
彼等はこうぶつぶつと言っている。
「何でなのかな」
「道理に合わないってないよ」
「全く」
そんなことを言い合いながら御飯を食べていた。桜と洋介はそんな彼等を見てそのうえでふう、と溜息をついてそれから話をするのだった。
「何であんなことをしたんでしょう」
「わからないね、それはね」
二人にもわからないことなのだった。
「まあ彼等には彼等の考えがあったんだろうけれど」
「おかげで私達は大変です」
桜はそんなことを言いながら部屋の掃除を続けていた。おかげでもう部屋はかなり奇麗になってきていた。二人共教師らしいスーツから私服に着替える間もなくだった。
「こんなことをしてくれて」
「まあ叱ったからそれでいいじゃない」
洋介はまだ言いたい妻に対して言った。
「もうね」
「いいですか」
「そうだよ。こう言ったら何だけれど動物がしたことじゃない」
「はい」
結局はこれで済むことだった。やはり彼等は動物なのだ。どんな理由があるとすれ悪意はない、それは二人もよくわかっていること
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