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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第30話
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キアスを助けられるかもしれないルートを知っている……と言っていましたが、どのような話か聞かせて頂いていいですか?」
「ええ、いいわよ。えっとね。この宿酒場のマスターから聞いた話なんだけど、バリアハートの地下には昔の水道が張り巡らされていて、手強い魔獣もいたから、以前はあたし達遊撃士が時々退治していたそうなの。」
リィンに尋ねられたエステルは答え
「……その地下水道ってどのくらいの広さ?」
ある事が気になったフィーは尋ねた。
「街の東から西にかけて地下に広がってるって話だよ。ちょうど、駅前のあたりから貴族街のあたりぐらいらしい。それでここが肝心な所なんだけど……アルバレア公爵家の館にも通じているという噂もあるらしい。」
「ちなみに領邦軍共は地下水道にいる魔獣には興味がなく、ほとんど放置しているそうだぞ。」
「それは……」
「もし、本当にアルバレア公爵家の館にも通じているのなら、秘密裏にマキアスを助けられる絶好のルートだな。」
「行ってみる価値はあり、だね。」
ヨシュアとメティサーナの説明を聞いたエマとリィンはそれぞれ真剣な表情をして顔を見合わせ、フィーは静かに頷いた。
「―――時間もそんなに余裕はない。早速その地下水道を探してみよう。」
そしてリィン達は宿酒場を出て行った。
「お、おいおい。アイツらが直接手を貸すなんて、色々な意味で大丈夫か?それにしてもまさかアイツらもバリアハートにいるなんて、完全に予想外だったな……まあ、アイツらがいるなら、俺のフォローも必要ないか。」
その様子を驚きの表情で見守っていた金髪の青年は疲れた表情で溜息を吐いた後、苦笑していた。
「……ただなあ。アイツらに任せておいたら、大丈夫なのは確実なんだが……アイツらが領邦軍相手に大暴れして、
大事
(
おおごと
)
へと発展させないかが心配なんだよな。ハア、本当に頼むから穏便に済ませてくれよ……」
しかしすぐにある事に気付いて、疲れた表情で溜息を吐いた。
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