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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第30話
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えばここからの撤退は可能だが……」
「ここで彼らを攻撃してしまったら、マキアスさんの無実が証明できなくなってしまいますし、それどころか……」
視線を向けられたリィンは戸惑いの表情で答え、エマは不安そうな表情をし
(そうねぇ。ここで私を出してあいつらを撃破したら、とんでもなくマズイ事になるから悪手ね。)
「それもそっか。」
ベルフェゴールは納得した様子で周囲を見回し、二人の言葉に納得したフィーは溜息を吐いた。
「重要なのはそちらの彼に複数の容疑がかかっており……そして我々、領邦軍に取り調べる権利があることだ。」
「抵抗しても無駄だ。大人しく拘束されるがいい。」
「くっ……」
そして兵士達はマキアスを拘束して自分達を厳しい表情で睨むリィン達から去って行った。
「―――やれやれ。あいつのカンが見事、当たっちまったか。」
一方その様子を見守っていた金髪の青年は溜息を吐き
「さて……レグラムからわざわざ出張ってきたはいいが。どうフォローしたもんかねぇ?」
軽い口調とは別に真剣な表情でリィン達を見つめていた。
「そら、とっとと入れ。」
領邦軍の兵士達に連れて行かれたマキアスは地下牢に入れられ
「……くっ………」
「安心しろ、大人しくしていれば危害は加えない。」
「容疑が晴れさせすれば”いずれ”解放されるはずだ。」
自分達を睨むマキアスに忠告した兵士達はその場から去り
「……クソ、迂闊だった。父さんの立場を考えたら十分予想できたはずなのに……」
兵士達が去るとマキアスは肩を落として複雑そうな表情で呟いた。
一方リィン達は領邦軍の詰所に向かい、領邦軍の隊長にマキアスの無実を主張していた。
「―――何度も言っているように彼が犯人である訳がありません!昨日の昼、バリアハートに来てからずっと一緒にいたんです!」
「その、逮捕するなら私達も一緒というのが筋なのでは……?」
「何を言っても無駄だぞ。マキアス・レーグニッツの身柄は容疑が晴れるまで我々が預かる。既に士官学院にも連絡はしている。お前達はお前達で”実習”とやらを続けるがいい。」
何度もマキアスの無実を主張したリィン達だったが、領邦軍は一切取り合わなかった。
「くっ……」
「無茶苦茶だね。」
領邦軍の横暴さにリィンは唇を噛みしめ、フィーは呆れた表情で溜息を吐いた。
「ああ―――それとユーシス様とルクセンベール卿だが。色々とお忙しいらしく、実習にはお戻りになれないそうだ。」
「………………………」
領邦軍の話を聞いたリィンは目を丸くした後厳しい表情で
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