第46話
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軍の兵士がいれば街は緊張状態になるのですが、誰も気にせずむしろ街の警備もしてくれますからありがたがってました。また孤児院に務めている人達はイーリュンの信徒だけでなく子供を病気や事故等でなくした母親なども務めています。」
「おお、そうか。テレサ院長、そちらもいいと思うがどうかね?」
エステルとヨシュアの説明を聞いたダルモアは感心した声を出した後、テレサに提案した。
「市長……。………………………………。少し考えさせて頂けませんか?どちらもありがたい申し出ですけれど、いろいろな事が起こりすぎて少し混乱してしまって……」
「無理もない……。ゆっくりお休みになるといい。今日のところはこれで失礼する。その気になったらいつでも連絡して欲しい。イーリュンの孤児院の件に関してもロレント市長とは知り合いだから、彼に君達が孤児院に受け入れてもらえるようにイーリュンの方達に口添えしてもらうように言っておこう。」
「はい……。どうもありがとうございます」
「ギルバード君、行くぞ。」
「はい!」
テレサの感謝の言葉を聞いたダルモアはギルバートを伴って部屋を出た。
「は〜、驚いちゃった。メイベル市長もそうだったけどめちゃめちゃ太っ腹なヒトよね。」
「そうだね……。元貴族っていうのも頷けるな。」
ダルモア達が出ていった後、エステルとヨシュアはダルモアの申し出に感心していた。その一方でクロ―ゼが不安げな表情でテレサに尋ねた。
「先生、市長さんの申し出やギルバートさんの提案、どうなさるおつもりですか?」
「そうですね……。あなたはどう思いますか?」
「………………………………常識で考えるのなら受けたほうがいいと思います。特にイーリュンの孤児院はあのメンフィル帝国が援助しているのですから、生活の心配はないと思います。……だけど……。一度王都やロレントに行ってしまったら……。いえ……。なんでもありません。」
テレサに尋ねられたクロ―ゼは辛そうな表情をしながら答えた。
「ふふ、あなたは昔から聞き分けがいい子でしたからね。いいのよ、クローゼ。正直に言ってちょうだい。」
「………………………………。あのハーブ畑だって世話する人がいなくなるし……。それに……それに……。先生とジョセフおじさんに可愛がってもらった思い出が無くなってしまう気がして……。ごめんなさい……。愚にも付かないわがままです。」
「ふふ、私も同じ気持ちです。あそこは、子供たちとあの人の思い出が詰まった場所。でも、思い出よりも今を生きることの方が大切なのは言うまでもありません。」
「はい……」
辛そうにしているクロ―ゼにテレサは諭した。
「近いうちに結論を出そうと思います。
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