第45話
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なことが多すぎる。そして、そういう手がかりは時間が経つと失われてしまうんだ。……君の気持ちもわかるけど今は現場検証の方を優先しよう。子供たちのことが心配なのはわかるけど、専門の人がこっちに向かっているんだ。素人な僕達はあまり手を出さない方がいい。下手に手を出して状態を悪くする訳にはいかないしね。」
「………………………………わかった……。あたしたち、遊撃士だもんね。何があったのか突き止めないと。リフィア達もいいかな?」
「ああ……」
「はい、わかりました。」
「…………」
そしてエステル達は孤児院の敷地内を調べ廻った。孤児院を調べ廻ってわかった事は何者かによって放火されたという結論であった。
「……魔力の痕跡があるのは気になりますが、この痕跡で感じられる魔力では原因の一つではないでしょうね。炎の魔術を使ったなら炎属性の魔力が漂っているはずです。……ハーブ畑や食料が入った樽が荒らされていた事といい、恐らく全て人の手によって起こされた事でしょうね……」
「ああ、それにこの辺りは特に油の匂いが強い。恐らく可燃性の高い油をこの辺りに撒いて火をつけたんだろうな。」
「……だね。」
「そ、そんな……」
プリネ達の結論を聞いたエステルは信じられない表情をした。
「プリネの言う通り、これは完全に何者かの仕業だと思うよ。」
「それ……本当ですか……?」
ヨシュアもリフィア達の結論に頷いた時、いつの間にかクロ―ゼがいた。
「あ、クローゼさん!?」
「来ていたのか……」
「どうして……。誰が……こんなことを……。かけがえのない思い出が一杯につまったこの場所を……。どうして……こんな……酷いことができるんですか……!?」
「クローゼさん……」
「「「「………………………………」」」」
取り乱して叫んでいるクロ―ゼにエステル達はかける言葉はなく、辛そうな表情で見た。
「………………………………。ごめんなさい……。……取り乱してしまって……。私……わたし…………」
「取り乱すのも無理ないよ。知り合ったばかりのあたしだってちょっとキツいから……。……信じられないよね。こんな事をする人がいるなんて。」
エステルはクロ―ゼの両手を握ってクロ―ゼに同意した。
「エステルさん……」
「子供たちが怪我を負ったのは残念だったけど……イーリュンの人がこっちに向かっているからきっと大丈夫だよ。だから安心していいからね?」
「………………………………。……ありがとう。少しだけ落ち着きました。朝の授業を受けていたらいきなり学園長がやって来て……。孤児院で火事が起きたらしいって教えてくれて……。ここに来るまで……
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