第44話
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「何もそこまで……」
「閣下は一度言い出したらテコでも動かない御方……。それもこれも、閣下をお育てした私めの不徳の致すところ……。どうか、どうか……」
フィリップは土下座をする勢いで何度もエステル達に頭を下げた。
「……そこの執事。余の顔に見覚えはないか。」
フィリップが何度も頭を下げている所、今まで黙っていたリフィアが声をかけた。
「ハ……?」
リフィアの言葉にフィリップは頭を下げるのをやめて、リフィアの顔をよく見た後驚愕した。
「なっ………!?そ、そんな!?なぜ貴女様がここに……!?」
「今はそんなことはどうでもよい。あの放蕩者は一度会っているにも関わらず余の事をわからない上、今の発言……リベールは余を馬鹿にしているのか……?」
「そ、それは………」
威厳を纏って語るリフィアを見て、フィリップは顔を青褪めさせた。そしてフィリップはその場で土下座をしてリフィアに嘆願した。
「申し訳ありません……!これも閣下をお育てした私めの不徳の致すところ……ですので決して我が国は救世主であり、また同盟国の皇族であるリフィア殿下を貶してなどいません……ですから殿下の怒りは閣下に代わりまして私が全て受けます!どうか、どうか……!」
フィリップは土下座をした状態で床にぶつけるかの勢いで何度も頭を下げた。
「ふう、仕方ないか……。あんまり執事さんを困らせるわけにもいかないし。」
「リフィアも許してあげてくれないかな?全てフィリップさんが悪い訳ではないと思うよ?」
「…………お前達がそう言うのなら余も怒りをここで収めるか………さすがにこのような素晴らしい部屋を血で染める訳にもいかぬし、ここで力や権力を振るえば余はあの放蕩者と同等になるしな……」
エステルは溜息をついて部屋を譲る事を言い、ヨシュアに諌められたリフィアも溜息をついて答えた。
「エヴリーヌお姉様も我慢できないでしょうが、お願いします。」
「ん。お兄ちゃんからもいくらムカつく相手でも無暗に人を殺してはダメって言われているしね。」
「フィリップさんの誠意は十分僕達やリフィアに伝わりましたから、頭を上げて立って下さい。部屋はお譲りします。ただ、そのミラは受け取れません。」
「し、しかしそれでは……」
「いいっていいって♪リフィア達にとっては大した部屋じゃないかもしれないけど、あたしやヨシュアにはちょっと豪華すぎる部屋だし。あのオジサンのお守り大変とは思うけど頑張ってね♪」
「お、お嬢様がた……。どうも有り難うございます。」
フィリップはエステル達の懐の広さに感動してお礼を言った。
その後最上階の部屋をデュナンに譲ったエステル達はホテルの受付
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