第44話
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「な、なんだお前たちは!?賊か!?私の命を狙う賊なのか!?」
「何をいきなりトチ狂ったこと言ってるのよ。オジサンたちこそ何者?勝手に部屋に入ってきたりして。」
(リベールの王族がルーアンに滞在していると聞いたが…………よりにもよってこ奴か。道理で聞き覚えはあるが聞きたくない声だと思った。)
エステル達の姿を見て慌てている男性にエステルは注意し、男性の身なりと顔を見て男性の正体がわかったリフィアは溜息をついた。
「オ、オジサン呼ばわりするでない!フン、まあよい……。お前たちがこの部屋の利用客か?ここは私が、ルーアン滞在中のプライベートルームとして使用する。とっとと出て行くが良い。」
「はあ?言ってることがゼンゼン判らないんですけど。どうして、あたしたちが部屋を出て行かなくちゃならないわけ?」
「事情をお伺いしたいですね。」
「「「…………」」」
自分達に理不尽な命令をする男性にエステルとヨシュアは顔をしかめて尋ねた。また、男性の言動にプリネは表情を硬くし、エヴリーヌとリフィアは男性を睨んだ。
「フッ、これだから無知蒙昧な庶民は困るのだ……。この私が誰だか判らぬというのか?」
「うん、全然。なんか変なアタマをしたオジサンにしか見えないんだけど。」
自信を持って答える男性にエステルはあっさりと否定した。
「へ、変なアタマだと……!」
「エステル……。いくら何でもそれは失礼だよ。個性的とか言ってあげなくちゃ。」
「なるほど、物は言いようね♪」
「キャハッ♪別にこんな人間にエヴリーヌ達が気を使う必要はないよ♪」
「うむ!エヴリーヌの言う通りだな!」
「み、みなさん………お気持ちはわかるのですが、そんな挑発をするような言葉はできればやめたほうが……」
普段礼儀のいいヨシュアまで遠回しに男性を貶したのでプリネが呆けている男性を横目で一瞬見た後、一人でエステル達を諌めようとした。
「ぐぬぬぬぬ……。フッ、まあ良い。耳をかっぽじって聞くが良い。……私の名は、デュナン・フォン・アウスレーゼ!リベール国主、アリシアU世陛下の甥にして公爵位を授けられし者である!」
怒りを抑えていたが、とうとう我慢できなく男性――デュナンは自分の身分と名前を威厳がある声で叫んだ。
「………………………………」
「………………………………」
「………………誰?」
(……リフィアお姉様、今の方がおっしゃたことは本当なのですか?)
(ああ、残念ながらな……一度だけ会った事はあるがあの横柄な態度や自分勝手な性格は全く変わっていないな……)
デュナンの名乗りを聞いたエステルとヨ
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