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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第44話
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てば。」

「実際に空賊を逮捕したのは王国軍の部隊だしね。」

「ええ、私達がした事は人質の安全を確保したぐらいです。」

クロ―ゼに驚かれ、エステルは照れ、ヨシュアとプリネは実際自分達がやった事を話した。



「謙遜することはない。ルグラン爺さんも誉めてたぞ。さっそく転属手続きをするから書類にサインしてくれるかい?さあさあ、今すぐにでも。」

ジャンはいつの間にか書類を出して、エステル達を急かした。

「う、うん……?」

「それでは早速。」

「うんうん、これで君たちもルーアン支部の所属というわけだ。いやぁ、この忙しい時期によくルーアンに来てくれたよ。ふふ……もう逃がさないからね。」

2人のサインを確認したジャンは含みのある言葉で笑った。

「な、なんかイヤ〜な予感。」

「先ほどから聞いてるとかなり人手不足みたいですね。何か事件でもあったんですか?」

ジャンの言葉を聞いたエステルは弱冠不安になり、ヨシュアは気になって尋ねた。

「事件という程じゃないけどね。実は今、王家の偉い人がこのルーアン市に来ているのさ。」

「王家の偉い人……。も、もしかして女王様!?」

ジャンの言葉にエステルは受付に身を乗り出して期待した目で尋ねた。

「はは、まさか。王族の1人であるのは間違いないそうだけどね。何でも、ルーアン市の視察にいらっしゃったんだとさ。」

(……お姉様、リベールの王族でアリシア女王陛下以外の方達は確か……)

(うむ。アリシア女王陛下の孫であるクロ―ディア姫ともう一人は確か……甥のデュナン公爵という者だったな。)

エステルの疑問にジャンは苦笑しながら答えた。また、プリネはリフィアにリベール王家の人間に関して小声で確認した。



「へー、そんな人がいるんだ。でも、それがどうして人手不足に繋がっちゃうの?」

「何と言っても王家の一員だ。万が一の事があるといけないとダルモア市長がえらく心配してね。ルーアン市の警備を強化するよう依頼に来たんだよ。」

「なるほど、先ほど2階で話し合っていた一件ですね。それにしても市街の警備ですか。」

「まあ、確かに港の方には跳ねっ返りの連中がいるからね。そちらの方に目を光らせて欲しいという事だろう。」

ジャンはダルモアに頼まれた事を思い出し、溜息をついた。

「跳ねっ返りって……。さっき絡んできた連中のことね。うーん、確かにあいつら何かしでかしそうな感じかも。」

「なんだ、知っているのかい?」

事情を知っている風に見えるエステルに不思議に思ったジャンは尋ねた。

「実は……」

そしてエステル達はジャンに先ほどの出来事を話した。



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