第43話
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「まあ、詳しい話はジャン君から聞いてくれたまえ。ところで、そちらのお嬢さんは王立学園の生徒のようだが……」
「はい、王立学園2年生のクローゼ・リンツと申します。お初にお目にかかります。」
「そうか、コリンズ学園長とは懇意にさせてもらっているよ。そういえば、ギルバード君も王立学園の卒業生だったね?」
「ええ、そうです。クローゼ君だったかい?君の噂は色々と聞いているよ。生徒会長のジル君と一緒に主席の座を争っているそうだね。優秀な後輩がいて僕もOBとして鼻が高いよ。」
「そんな……恐縮です。」
ギルバートの言葉にクロ―ゼは自分の事を謙遜して答えた。
「ははは、今度の学園祭は私も非常に楽しみにしている。どうか、頑張ってくれたまえ。」
「はい、精一杯頑張ります。」
「うむ、それじゃあ私たちはこれで失礼するよ。先ほどの連中が迷惑をかけたら私の所まで連絡してくれたまえ。ルーアン市長としてしかるべき対応をさせて頂こう。」
そう言って、ダルモアとギルバードは去っていった。
「うーん、何て言うかやたらと威厳がある人よね。」
「確かに、立ち居振る舞いといい市長としての貫禄は充分だね。」
去って行ったダルモアの後ろ姿を見てエステルとヨシュアは感心した。
「ダルモア家といえばかつての大貴族の家柄ですから。貴族制が廃止されたとはいえ、いまだに上流貴族の代表者と言われている方だそうです。」
「ほえ〜……。なんか住む世界が違うわね。まあ、それを言ったらリフィア達もそうなんだけどね。リフィアはもちろんだけど、プリネも優しそうに見えていざという時にはなんていうか……近寄りがたい雰囲気を持っていたもんね。」
「そうだね。特にモルガン将軍に交渉した時なんて立ち振舞いや言葉遣いも含めて立派な貴族に見えたよ。」
クロ―ゼの説明にエステルは呆けた後、リフィア達を見て呟き、ヨシュアも頷いた。
「あの……先ほどモルガン将軍とおっしゃりましたが、エステルさん達は将軍とお知り合いなのですか?」
エステル達の会話で気になったクロ―ゼは恐る恐る尋ねた。
「うん。ほら少し前にあったハイジャック事件をあたし達とあたしの先輩の遊撃士の人といっしょに担当していたんだ。」
「その時、モルガン将軍と一悶着あってね。プリネやリフィアが納めてくれたんだ。」
「は、はあ、そうなんですか……(将軍、一体何をもめたんでしょうか?将軍もリフィア殿下の事はご存じのはずなのに……)」
エステルとヨシュアから軽く説明を聞いたクロ―ゼは人知れず冷や汗をかいた。
「あはは……その事は持ち出さないでいただけますか?我ながらあの時はちょっと大げさに言いすぎ
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