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頑張れフェレット
2部分:第二章
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第二章

「あれ蜘蛛だよな」
「ああ、蜘蛛だな」
 ブライアントも真面目な顔で相棒の言葉に頷く。
「あれはな」
「そうだよな。どうする?」
 トレーパーは今度は尋ねてきた。
「蜘蛛。どうするんだ?」
「どうするってそりゃ兄弟」
 ブライアントはそんなの決まってるだろ、と言わんばかりの調子だった。
「やっつけるに決まってるだろうがよ」
「やっつけるか」
「そうだろ?あいつは侵入者だ」
 彼等にとってはこの家は自分達の城だ。だからそうなるのだ。
「それをやっつけないでどうするんだよ」
「そうだな」
 そしてトレーパーも彼の言葉に頷いた。
「じゃあここは」
「僕は右から行くぜ」 
 ブライアントは相棒にまた言った。
「だからそっちはな」
「右からか」
「だから違うって」
 すぐに相棒のボケに突っ込みを返した。
「左からだよ、この場合」
「僕は左からかい?」
「僕が右から行くんだよ」
 こう少し怒った感じでトレーパーに言う。
「じゃあ君は左じゃないか」
「ああ、そういえばそうか」
「そうだよ」
 このことをここで確かめ合うのだった。 
 居間は彼等にとってはかなり広い。テーブルが中央にありテレビや棚が端にそれぞれ置かれている。そうして彼等は今そのテレビの前のところにいて蜘蛛を見ているのだった。
 蜘蛛はそのテーブルの下を動いている。そのまま玄関の方に向かおうとする。ブライアントはその蜘蛛を警戒するように見ながらまたトレーパーに声をかけた。
「それで兄弟」
「僕が左だよね」
「やっとわかってくれたね」
 彼の言葉を聞いてまずは微笑むブライアントだった。
「そうだよ、僕は右から君は左から」
「あの蜘蛛を挟み撃ちにね」
「侵入者は何があっても許さない」
 ブライアントの言葉が強いものになった。
「だからね」
「よし、それじゃあ」
 トレーパーもここでやっと動きだした。そうして左右からそれぞれ蜘蛛を狙いジリジリと動きだした。そのまま蜘蛛を狙おうとするが。
「あれっ!?」
「いなくなった!?」
 蜘蛛が急に消えたのだ。彼等の前で煙の様に消えてしまった。彼等はそれまで蜘蛛がいた場所を見てまずは動きを止めてしまった。
「いない!?」
「いないよね」
 トレーパーはブライアントの言葉に応えた。
「何処にもいないよね」
「消えたのかな。まさか」
「そうじゃないかな」
 トレーパーはぼんやりとした調子で相棒に答えた。
「やっぱり。僕達のことを察して」
「ちぇっ、勘がいいなあ」
 ブライアントは相棒の言葉を聞いて苦い顔になった。
「僕達のことに気付いたなんて」
「それで何処に行ったのかな」 
 トレーパーの言葉は続く。
「あの蜘蛛。何処かな」
「消えた筈がないよ
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