第2章〜白き花のマドリガル〜 第37話
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をも手なずけていたしな。)
「ちょ、ちょっと!なんでヴァレリア湖のことまで……」
サエラブの念話にエステルは驚いて聞いた。
(山道で幼い頃に精霊と契約したと言っていたお前に少々興味があってな……さまざまな所で遠くからお前の行動を見ていた。)
「なんで声をかけてくれないのよ〜……まあ、いいわ。それで期間はどれくらいかな?サエラブはこの世界を調べるように言った人にいつか報告するんでしょ?」
サエラブの説明にエステルは呆れた後、いつまで契約してくれるか尋ねた。
(お前が契約している精霊と同じようにお前の生涯の最後まで付き合ってやろう。)
「え!?あたしまだ16歳なのにいいの!?」
(我を誰だと思っている?我は悠久の時を生き、遥か高み”仙狐”を目指す幻獣。高々数十年をお前のために使っても特に支障はない。”仙狐”様もいつまでに帰還してくることを言わなかったしな。それにお前のような存在がいたことを報告すれば”仙狐”様も気にいっている”我が友”のような者がいたことに喜ばれ、こちらの世界の人間のために他の”仙狐”を派遣することも考えるだろうしな。)
「そっか……じゃあ、早速契約をお願いしていいかな?」
(その前に一つだけ聞いておく。エステル、お前は何のために自らに秘めたる力を揮い、我や風の精霊を使役する?)
「……あたしの”力”を揮う理由やあなた達と共に戦う理由は一つ!”闇の聖女”様のように、傷ついて困っている人達を助けるために使うこと!そしていつか聖女様に成長したあたしを見て貰って、その時にお母さんを助けてくれたお礼を言うんだ!」
「エステルさん………」
(フッ……よりにもよって”混沌”を望む女神の僕に憧れるか。クク……”悪”を喰らった我にはちょうどいい。……いいだろう!今より我、サエラブはお前の命果てるまで力になることを誓おう!我が炎、使いこなしてみるがよい!行くぞ!)
「オッケー!いつでも来なさい!」
エステルはかつてパズモと契約したように、両手を広げ胸をはってサエラブを受け止めれるような姿勢なった。そしてサエラブは前足をかがめた後、大きく跳躍してエステルに突っ込みエステルの魔力に同調して消えた。
「これが”契約”か……」
初めて見る使い魔の契約にヨシュアは興味深そうに見て呟いた。
「どうだ、エステル?体に異常はないか?」
リフィアも興味深そうに見た後、エステルの体調を尋ねた。
「うん……サエラブがあたしの魔力に同調した時、一瞬体中が炎が宿ったみたいに凄く熱かったわ。それに何か閃いたわ。……サエラブ!」
何かの感覚を掴んだエステルは生涯を共にする新たな仲間を呼んだ。契約主に呼ばれたサエラブはエス
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