第2章〜白き花のマドリガル〜 第37話
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だ。ユイドラの近辺には”工匠会”に管理され、さまざまな材料の宝庫となる場所があるからな。余も時間があればもっと行ってみたかったものだ。」
「エヴリーヌもあそこは結構気にいっていたよ。葡萄が凄く甘いんだよね〜。……ん〜……思い出したら、セテトリ地方の葡萄が食べたくなっちゃったよ!」
「へぇ……職人によって治められている都市か……ルーアンの次にある都市、ツァイス市に少し似ているね。」
リフィアの説明を聞き、ヨシュアは感心した様子で答えた。
「それだけではないぞ。今のユイドラはある意味メンフィルと同じ考え方をしているからいいのだ!」
「それってどんな考えなの?」
胸をはって答えるリフィアの言葉に疑問を持ったエステルは尋ねた。
「”全ての種族と協力し合って生活をする”。これが今のユイドラの領主であり”工匠”の中で最高の称号、”匠王”ウィルフレド・ディオンの考えだ!余もかの者に依頼をしたことがあったが、職人としての腕はもちろん、さまざまな種族を集める求心力、武芸も中々のものだったぞ。特にお互い相容れないはずの天使と睡魔族が共に戦っているのを見た時はさすがの余も驚いたぞ。余とエヴリーヌが去った後も我が祖国メンフィルが集めた情報によれば天使の中でも中位に冠する天使や精霊の中でも王族に値する精霊や”雷竜”、”歪魔”それに”死神”、果ては古代の”魔神”ソロモン72柱の一柱すら力を貸したというしな。」
「確か話によるとエルフを娶ったそうですよね、リフィアお姉様。」
「うむ。ちなみに余があ奴らと会った時からエルフと恋仲だったぞ。それにすでに子も産まれたそうだからな。……あれほどの者が人間としての生を終えることを考えると残念なんだがな……」
「そうですね、特に妻となったエルフの方にとってはつらい事でしょうね……」
残念そうな表情のリフィアに同意したプリネは悲しそうな表情をした。
「う〜ん。そうかな?」
一方エステルは首を傾げて答えた。
「ほう?それはどういう意味だ、エステル。」
エステルの答えを聞いたリフィアは興味深そうに聞いた。
「えっと……その前に聞きたいんだけど、そのエルフって種族も長寿なのよね?」
「うむ。彼らは余達”闇夜の眷属”より”魔神”を除いて長寿とも言われておる。」
「そっか……確かに好きだった人がいなくなって、自分だけ生き続けるのはつらいと思うよ?でも、あたしが思うに多分2人もそのことも考えた上で結婚したんじゃないかな。それにさ、そのウィルフレドっていう人の考えを奥さんがずっと覚え続けてくれるんじゃない?そして奥さんが住んでいる街も奥さんがいる限り、ずっと”全ての種族と共存して生活する。”の考えを守ってくれるん
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